ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

森林除染とは何かーその3

 「しみが彼らを衣のように食い尽くし、虫が彼らを羊毛のように食い尽くす』(イザヤ51:8)
 私が従事した森林除染作業の第一歩は、仮払い機による森林の雑草等の草刈から始まります。
 実は茨城に居た時、その危険性を理解せず使用した事がありますが、今回いかにその作業中の近くに近づく事が危険なのかを悟らされました。仮払い機は地面の小石や小さな金属などを、高速で遠方に飛ばしますから、それに当たると大怪我をします。作業者自身によるキックバックという現象も生じ、機械が飛ばされる事もあります(http://www.mori-anzen.com/spotinfo/kickback/)。ですからその終了を待って集草作業をする人々は、時間に追われ半径15〜20メートル以内につい進入してしまう事があります。私もしばしばそういう事があり、随分怒られました。
 この作業で雑草類が刈り取られ、地面いっぱいに残されます。それを熊手、レーキといっ器具で掻き寄せ、黒のフレコンバッグに詰めてゆくのが「集草班」の仕事になります。

 大きな雑草(怪我をしやすいイバラの塊も随分あります)は、鉄製のレーキですくい取り、直接フレコンバッグに入れますが、その後の小さな雑草は、熊手などで箕に入れてから、フレコンバッグまで運んで入れます。レーキで突っ込んだ枝類は、まず根切りで60センチ以下に切る事がなく、人がバッグの中に入って足で押し込んで行きますから、笹などの尖ったものなら容易に穴が開いてしまいます。しかし作業長がいちいち注意する時間は無く、そのまま決められた線の少し上まで雑草類が詰め込まれます。そしてそのバッグを縛って、ユンボやユニックの届くところまで運びます。運搬が出来ないような場所ですと、バッグに半分ほど詰めて転がして行ったり、崖上ならそこから下へ突き落とします。簡単なようですが、それを広大な範囲で行っているわけですから、かなりの重労働になります。大きな木やその根がないような法面では、上からレーキで落としながら、自分も下がってゆきますが、足場が悪いと滑落の危険もあります。

 中途半端な量のバッグは現場か、私たちの集合する仮仮置き場に運んで、詰め直しをします。その際一方のバッグの口を開いておき、他方のバッグを仮結びにし、ユンボで逆さに吊って、ちょうどよい位置で結びを解き、バッグの中にどっと落としてゆきます。私はこの作業を何度も行いましたが、雨天でないと落とした瞬間埃が舞い上がり、マスクをしていないと、結構吸い込んでしまいます。これは放射能が微量であっても、一番ストレートな内部被曝になるでしょう。
 そうして詰め終わったものをダンプやユニックに積み込んで、仮置き場まで運びます。「運搬班」の仕事です。

 この集草作業・フレコン詰め替え作業で、毎時0.23マイクロシーベルト以上の放射能汚染草木を、直接手作業で行いますから、若い作業員さんは、支給されるマスクをきちんとつけていないと、長い期間では呼吸器などが無視できないほどの放射能被曝を受ける事になるのではないかと思っています。私の場合高齢で被曝による身体の癌化には余り関係ありませんし、第一汗が噴出し、息切れするので、写真撮影を除き全然使用しませんでした。
 こうしてみると、仮払いから始まり、集草、フレコン詰めなどの全過程で、作業員は外部・内部被曝します。私の作業現場では、30代以下の若者が多かったですが、彼らがずっとこの作業を続け、60代くらいに達した時、果たしてどれくらいの人が健康で居られるでしょうか?森林内でホットスポットがあっても、いちいちそこを避けてというわけにはゆきません。でも森林除染での低線量被曝など意識している若者たちはほとんどいませんでした。
 森林除染は汚染を拡大し、作業員を危険な状態に置き、外部・内部被曝させる愚劣極まりない行為である!