ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

森林除染とは何かーその2

 「地は嘆き悲しみ、衰える。世界はしおれ、衰える。天も地とともにしおれる」(イザヤ24:4)。
 森林除染では、まず国の委託を受けた各自治体がその範囲を決め、それに沿って作業員が除染作業を行います。
 住宅除染が未実施の農家、最近移り住んだ人々の家々では、時々その背後の森林除染中に、「我が家も」と頼まれる事が多々ありましたが、しかしそこは対象外なのでお断りでした。さらに除染の境界線を越えたところが、いかに草ぼうぼうであろうと、手はつけません。そんな暇がないからです。作業は決められたノルマに従って、従事者の能力の限界まで引き出され、誰もがくたくたになるまで行われます。
 私が関わった作業場では、まず仮払い機を扱う作業員が森林に入り、雑草類を根元まで切り取ってゆきます。
 画像はhttp://www.yoka-wood.jp/tukaou/kariharaiki.phpからお借りしましたが、扱いの基本を丁寧に教えているサイトです。危険なのできちんと講習を受けた資格者が扱いますが、ベテランでも小石を弾き飛ばし、近くの車の窓を割ってしまうという事故がありました。
 仮払い機の対象にならない雑木とか竹は、チェーンソーやのこぎりを用いて切って行きますが、その基準は全く曖昧で恣意的です。その際表土は削り取りません。一般には5センチほど剥ぐと効果があると言われていますが、土を雑草などと共に集めると、黒いフレコンバッグがすぐ一杯になり、その重量で作業員が数人いてもほとんど移動させる事が出来ないので、実施しません。通常未踏の場ですから、必要なしという事でしょう。ちなみに森林除染でも、放射性セシウムについて毎時0.23マイクロシーベルト以上の場所をそれ以下にする事になっていますが、私が作業長に訊いてみても、どの程度下がっているのか全く教えてくれませんでした。彼自身がほとんど理解していなかったのでしょう。

 急峻な法面や崖の上に密集している竹などを切る場合、恣意的であると共に(*本来森林管理士など資格者の仕事)、それによってフレコンバッグを下に投げ落とす広さを確保する為でもあります。それをしないと、下で待ち受けるユンボやユニックで吊ってダンプに載せ、仮置き場に運搬する事が出来ません。当然その途中にある木の根や伐採していない雑木に激突する事があり、その際フレコンバッグは相当大破する事があります。それほどでない場合、仮置き場でもOKになります。
 私たちは大熊町の中間貯蔵施設で満杯になっているフレコンバッグから汚染土壌や物質が漏れ出さないか心配していますが、私の現場では竹の鋭い先端なども含め、フレコンバッグは既にいたるところ破けています。それほどやわいものです。だからそうした施設や仮置き場で漏れた放射性物質の為に、そこが相対的に線量の高い「ホットスポット」になってしまいます。

 それでも作業は続けられますが、もうお分かりでしょう。「除染」という言葉は独り歩きし、空虚で実体のない死語となっています。こと森林に関する限り、一般道から見える場合は特に「いかに見栄えを良くするか」という事だけで、それなら本来上記「森林管理士」などの仕事のはずです。
 繰り返します。森林除染は全く実態とかけ離れており、「森林管理」と言い換えるべきです。