ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

福島第一原発の石棺問題、てんやわんや

 「彼らの心は二心だ。今、彼らはその刑罰を受けなければならない。主は彼らの祭壇をこわし、彼らの石の柱を砕かれる」(ホセア10:2)。
 2016年7月14日の福島民報に「廃炉支援機構 第一原発『石棺』に言及」という見出しの記事がありました。
この記事まずは廃炉支援機構が出て来ます。正式には「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」というそうです。一体どんな組織でしょうか?その沿革を探ると、2011年9月に原子力損害賠償機構として設立され、2014年8月に改組されてその名称になったとウイキに出ていました。
画像はウイキよりお借りしました。
 その時の理事長は山名元(京都大学原子炉実験所教授)とありました。東北大学工学部原子核工学科を卒業しており、反原発で事故からずっと発言して来た小出裕章氏の後輩にあたります。原子炉実験所では上司。
 ネットで検索すると、私が想像した通り、いわゆる原子力ムラの一員です。政府や電力会社、原発メーカーから拠出された裏金から、寄付金として120万円を過去に受け取っていたそうです。
 何より本人の直接の発言をユーチューブから聴く事が出来ます。その一部で「私は原発推進派と言われると適切ではないが、国の為に必要。だから必要派」と、明確に語っていました(例えばhttp://www.videonews.com/marugeki-talk/582/)。廃炉技術には相当の自信を持っているような感じでした。
 ところが廃炉支援機構は13日、廃炉についての新たな『戦略プラン』を公表し、溶融燃料=燃料デブリを建屋内に閉じ込める石棺方式について、初めて言及しました。と言っても廃炉支援機構の事務局では、既に案を作成、同じ機構内の廃炉等技術委員会が纏め、素案として既に5〜6月段階で県や市町村に内示していたそうです。県はこの石棺の記述に反発し撤回を求めたようですが、機構は無視して公表しました。市町村が公表段階以前に何故強く反発しなかったのかという事を考えてみますと、どうも原子力ムラの面々の記述に、いわゆる東大話法相手を言いくるめ、自分に従わせるための、言葉を使った暴力ウイキよりその一部)が盛り込まれていた事が推測されます。調べた限り、ネットではこの戦略プランの石棺部分のくだりを見つけられず、福島民報の記事に頼るだけですが、それをコピーさせて頂きます(福島民報7月21日)。
 「なお、チェルノブイリ原子力発電所4号機の事故に対して取られた、通称“石棺方式”の適用は、原子炉建屋の補強などによる当面の閉じ込め確保に効果があるとしても、長期にわたる安全管理が困難である。したがって、現時点においては燃料デブリの取り出しによる中長期のリスク低減に取り組むこととし、今後明らかになる内部状況に応じて柔軟に見直しを図ることが適切である。その際、長期的な責任継承に関する不確実性や世代間での安易な先送り等に対する懸念を十分に踏まえることが求められる」。
 これを読んで機構の意図が直ぐ分かる人は優秀です。分かりにくいから東大話法なのです。
 15日の福島民報論説を見ると、「今後明らかになる内部状況に応じて柔軟に見直しを図ることが適切とした」というくだりを、(石棺という新たな選択肢を紛れ込ませた印象を強く受ける」と敷衍しています。
 こうしたマスコミの「石棺に選択の余地を残した」という報道を踏まえ、県や関係市町村は初めて勢いづいて、一斉に反発や抗議の狼煙を上げたのではないでしょうか。
 この反応にひどく狼狽したのが廃炉支援機構です。15日の報道陣との質疑が、やはり16日の福島民報に載っています。そこで山名理事長は「石棺はいかんということを書いた。それが誤解を生んでしまい大変申し訳ない」と釈明し、記者が「石棺方式は現段階も将来もないと」?と質問すると、「その通りだ」と答えました。嘘の上塗り!!
 そして福島民報では僅か2日後の16日、「第一原発廃炉プラン 『石棺』撤回を表明」という記事が出ました。山名理事長は県副知事と懇談し謝罪し、「石棺」の表現を撤回する意向を表明しました。山名氏は「我々の国語能力の甘さだったと深く反省している」と述べています。そして20日に「石棺」文言削除の戦略プラン修正版を公表しました。
 長々と書きましたが、山名理事長の話に一貫性がありません。ウイキの東大話法一覧には、次のようなものがあります。
 15.わけのわからない見せかけの自己批判によって、誠実さを演出する。
 20.「もし◯◯◯であるとしたら、お詫びします」と言って、謝罪したフリで切り抜ける。
 つまり廃炉支援機構を代表する山名理事長の真意は、技術的な限界により、速やかに石棺をもって建屋を覆うという事です。謝罪は謝罪したフリで、当面マスコミや県や関係市町村のバッシングを切り抜け、ほとぼりの冷めた頃、東大話法の「16.わけのわからない理屈を使って相手をケムに巻き、自分の主張を正当化する」、つまり石棺方式しかない事を堂々と主張するようになるはずです。
 石棺方式固定で福島を犠牲にするのか、途方もない線量の燃料デブリを、多数の作業員を犠牲にして取り出し、県外で処理出来るのか、問題は今後さらに深刻さを増して来るでしょう。