ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

タルマーリーの出いすみ記

 「わずかのパン種が、こねた粉の全体を発酵させるのです」(ガラテヤ5:9)。
 ブログ仲間のよんばばさんが紹介してくれた(http://yonnbaba.hatenablog.com/entry/2016/12/08/160241)「田舎のパン屋が見つけた『腐る経済』」(渡邊格著)は、本当に面白く、いろいろ考えさせられました。この本の骨子はよんばばさんが漏れなく記述しておられます。
 よんばばさんが「涙が止まらない!」と言われた箇所がどこだか分かりませんが、私が涙しそうになった箇所はあります。パン屋(タルマーリー)を経営する渡邉格・麻里子夫妻が、かつて住んでいた千葉県いすみ市で耳にした3・11原発災害の
シーンです。二人がここでパン屋を始め、ちょうど4年経った時の事でした。

 渡邊夫妻には二人のかわいい子がいます。モコとヒカルです(漢字はわかりません)。
 それでいすみ市が千葉県のどこにあるか調べてみますと(画像はネットで借りて加工)、黒で塗りつぶした所になります。3・11当時のセシウムがどれ位だったか、ネットの情報では見つかりませんでした。1年前のいすみ市海岸の観測地点での食品検査結果によると、セシウム134、137合算で平均63キログラム/ベクレルとなりました。これをどう見るか分かりません。画像の北西にあたる柏市や私の住んでいた松戸市は、いわゆるホットスポットになりました。すごい放射能汚染でした。
 それで渡邊夫妻は一向に収束しない(するはずがない)原発シーンを見て不安になります。
 「親として、ふたりの子どもの健康と将来が、とにかく心配だった。たまりかねた僕は、マリに子どもふたりをつれて、西日本に避難することを提案」しました。しかし東京の世田谷で育ったマリさんは猛反対、渡邊氏は「泣き叫ぶマリを見て、心が張り裂けそうになった」と書いています。私が泣きそうになったのはこの箇所でした。
 「気持ちは分かるけど、モコとヒカルに何か起きたとして、それは覚悟の上でのセリフだよ」、「…………」「重い沈黙が続いたあと、マリが口を開いた。『…この子たちは、私たちが守るしかない』」、「頼む、そうしてくれ」。
 これこそ福島で子どもを抱える親たちが、普遍的に直面した事です。子どもを守る為両親が苦渋の決断をし、出福島を遂行しました。一方で親の意見が分かれ、離婚にまで発展してしまった悲劇的例も耳にしています。幸いこの夫妻は「二人三脚、一心同体」というほど、聖書の視点からみても模範的な夫妻で、決断したらすぐ実行です。出いすみとなりました。
 そして一家が辿りついたのは、岡山県真庭市勝山でした。最新のネット情報では、さらにビール醸造も含めた事業展開で、鳥取県八頭郡智頭町に引っ越しています(https://www.talmary.com/)。
 私は渡邊氏の主張「肥料はなくても、土壌の環境さえ整えれば作物は育つ」に触発され、放射能汚染は覚悟の上で、毎日せっせと落ち葉を集め、生ごみも大切にして土に埋め、破損した畳の麦わら?を細かく切って同様に埋め、自己責任で種から野菜を育てようと動き回っています。