寒曝しの食べ物は風味を増す
「試練に耐える人は幸いです。耐え抜いて良しと認められた人は、神を愛する者に約束された、いのちの冠を受けるからです」(ヤコブ1:12)
試練に会った時、あのせいだ、このせいだと言わず、良く耐えた人は風格が出る。信仰者なら、それによっていのちの冠を受ける。
19年2月4日の福島民報に「冬の冷水が育む『寒晒し』の風味」という見出しの記事があった。
紹介されたのは喜多方市山都町の名物「寒晒しそば」の元になる玄そばの実を、川から引き上げる作業の場面だった。これは「くろそば」と読み、黒い殻のついたままのそばの実を指す。それを真冬の冷水に浸して、引き上げ寒風に晒すとの事である。
喜多方と言えばラーメンで有名。札幌、博多ラーメンと共に、日本三大ラーメンの一つである。福島に来てからその生ラーメンを食べた事があるが、あっさりしていて美味しい。
だからラーメンしか思い浮かばなかったが、今回寒晒しのそばを知った次第である。それを乾燥させた実はうまみを増すそうだ。食べ物の味わい=風味を増す。古くからの知恵なんだろう。
お店で食べると、値段が張る。量が少ないので、大抵天ぷらなどが盛られる。胆嚢のない私は、それでよくお腹をこわす。
ネットで検索すると、寒晒しの食べ物として長崎県のものがヒットする。しかし寒い福島の方がイメージが湧く。
前に紹介した事のある凍み餅(=餅を水に浸して凍らせたものを寒風に晒して乾燥させた保存食)に関しては、凍天(しみてん)といって、ドーナツ生地の中にそれを包んだものが有名だそうだ。
現在酷寒期、インフルがはやり、老いも若きもばたばた倒れている。これはまさに試練の時。それに耐えた人は幸いである。先に言及した長崎県で言えば、長崎・天草で迫害に耐えて、信仰を守り通した「潜伏キリシタン」が有名である。私などは彼らの足元にも及ばない。