休校扱いの県立高校2校
「七年目は地の全き休みのための安息、【主】の安息となる。あなたの畑に種を蒔いたり、ぶどう畑の刈り込みをしたりしてはならない」(レビ25:4)。
前回小中7校が廃校と間違って書いてしまったが、それはうっかりミスで5校が正解、あと2校は休校扱いの県立浪江高校と富岡高校の事だった。
そこも視察して来たので、画像保存という趣旨で書いておく。
国道6号を北上し、浪江町に入るとほどなく知命寺交差点にぶつかる。そこを左折すれば、福島市に至る国道114号が西に長く伸びる。最近この交差点に「道の駅なみえ」が出来たので、信号による渋滞が生じている。
その渋滞が途切れる頃右折すると、南相馬市に至る県道120号が北へ向かう。それでそこを北上すると、東西に流れる請戸川の土手を通過する事になる。渡ってすぐ左折し西に向かうと、県立浪江高校が見えて来る。
人の気配は全く無く、錆びた赤い柵のある校門が閉じられたままであった。
ウイキによれば1927年女子高として発足、1986年男女共学校になった。
2011年の東日本大震災で避難を余儀なくされ、休校となった。
2015年広野町で福島県立ふたば未来学園中学校・高等学校が開校すると、生徒の募集を停止した。こうして2016年に創立90周年を迎えたこの高校は役目を終え、2017年に休校となった。安息の時に入ったのではなく、再開されないという事である。やがては解体されるのだろう。
②県立富岡高校。浪江高校と比較すれば、設立は1950年とかなり新しい。この富岡町にある高校は、以前探していて見つからなかったので、再度挑戦した。富岡駅から遠くないし、休校でなければ途中に看板があってもおかしくない。かなり急な坂を上って行くと、頂上にそれは存在する。誰も教えてくれる人がいないので、すぐそこだと言っても、なかなか分からない。
浪江高校と違って、柵がないので入ってゆける。このぐるりは散歩の人のコース―になっているようだ。
ウイキを見ると、この高校には国際・スポーツ科というのがあって、スポーツが盛んだった事が分かる。校舎中央よりやや左から廊下を覗き込むと、表彰状や立派な楯が多く飾ってあるのが見えた。
この校舎の裏は広いグラウンドになっている。サッカーなどの練習が行われていたのだろう。
上記2校に共通しているのは、2017年に募集を止めて休校になった事と、生徒たちのかなりが広野町の福島県立ふたば未来学園中学校・高等学校に吸収された事である。そしてこの中高一貫校は、文科省から官僚特有のカタカナ語造語による「スーパー・グローバル・ハイスクール」に指定された。理念としては原子力災害からの復興を果たすグローバルリーダーの育成とあった。
国の「鳴り物入り」で新設されたこの中高一貫校の陰で、地元の高校が2つ消えた。