ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

鉄、かなかす、聖書での象徴的意味

 鉄の起源は、ヒッタイト(紀元前1400年頃)と言われていました。そのアラジャホユック遺跡では鉄器、炉、かなかすなどが発見されているそうです。
 ところが2008年、トルコのカマン・カレホユック遺跡でかなかすなどが発見され、その年代は放射性炭素C14年代測定法で、紀元前2000年頃まで遡る最古のものとなったと言われています。

 その年代ですが、出土した炭化物などの測定によっています。それがあまり信頼出来ないものである事は今や事実となっており、考古学者たちは他の方法で補正しています。いずれにしても紀元前2000〜1400年頃、製鉄の技術があったのは間違いないでしょう。
 ところが聖書を見ますと、創世4:22に「ツィラもまた、トバル・カインを産んだ。彼は青銅と鉄のあらゆる用具の鍛冶屋であった」とあって、紀元前2348年頃のノアの洪水以前に、こうした職人たちがいた事が分かります。今はその洪水の為に特定出来ないエデンの東の地方で、既に製鉄技術があった事になり、聖書の記述を信じるなら、ヒッタイトなどよりずっと古くなります。
 その製鉄の技術ですが、志村史夫著『古代日本の超技術』という本を読みますと、「朽ちない古代の鉄」という章で、日本の事例が詳しく述べられています。 それによりますと、日本では古くから「たたら技術」というものが盛んで(*たたらとは何人かが足で踏んで空気を送る、大型のふいごと辞書にあります)、砂鉄、木炭、炉材(釜土)、そしてふいごが用いられ、優れた鉄製品が生み出されました。
 砂鉄には二種類あって、花崗岩が風化して出来た真砂砂鉄と、閃緑岩を母岩とした赤目(あこめ)砂鉄です。
 その砂鉄は高純度とはいえ、不純物としてマンガン、シリコン、硫黄、クロム、銅、砒素、アンチモンバナジウム、チタンなどをかなり含んでいるそうです。でもその製鉄・精錬段階で木炭を使用すると、炉内の温度は最高でも1200〜1300度位にしかならず、やや低いためにかえって鉄に取り込まれる不純物の濃度が低くなるそうです。炉内の複雑な反応により鉄滓(かなかす)が生じて来ます。そして砂鉄の多くの不純物はその鉄滓の方へ移動するようです。
 そうした事を考えながら聖書を紐解くと、炉で精錬した時出るこのかなかすについて触れられている箇所があります。
 「人の子よ。イスラエルの家はわたしにとってかなかすとなった。彼らはみな、炉の中の青銅、すず、鉄、鉛であって、銀のかなかすとなった。それゆえ、神である主はこう仰せられる。あなたがたはみな、かなかすとなったから、今、わたしはあなたがたをエルサレムの中に集める。銀、青銅、鉄、鉛、すずが炉の中に集められるのは、火を吹きつけて溶かすためだ。そのように、わたしは怒りと憤りをもってあなたがたを集め、そこに入れて溶かす」(エゼキエル22:18−20)。
 これを見ますと、主なる神に対して罪を犯したイスラエルの民は、あたかも炉に投げ込まれ、主の怒りの火で溶かされ、遂にかなかすのような「役に立たないモノ」のような者となったと言われています。
 しかしそのように主から見放され、捨てられるかなかすのようなイスラエルでも、主は憐れみを持ってまた復興させられます。
 「しかし、おまえの上に再びわが手を伸ばし、おまえのかなかすを灰汁のように溶かし、その浮きかすをみな除こう」(イザヤ1:25)。
 主はかなかすのような役に立たないイスラエルをもう一度「精錬」「純化し」、御自分の民として用いようとしておられるのです。
 志村氏の本から聖書のかなかすについて、多くのヒントを得る事が出来ました。この主にあなたの心のかなかすを除いて頂ければ幸いです。