ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

イラクのキリスト教徒の迫害

 朝日新聞の7月30日号夕刊に「イラク深き淵より」という題で、取材した人々の名前が挙がっています。
 2003年に米英軍はイラク攻撃を開始しました。一ヶ月もしないうちにバグダットは陥落、フセイン政権は崩壊しました。
 それで二ヶ月もしないうちに米大統領ブッシュは戦闘終結宣言を出しました。米英軍にとっては大勝利で、これからは安定した政権が出来、イラクの治安も回復してゆくだろうと、楽観的に考えていたのではないでしょうか。
 ところがそれで収まらなかったイスラム過激派(イラク聖戦アルカーイダ組織他)は、各地で反転攻勢を仕掛けています。米軍部隊はと言えば、まだ完全撤退まで1年を残しています。果たして「平安なイラク」は実現するのでしょうか。
 朝日の取材に答えたのが、イラク人医師でリカア・アルカザイル女史です。彼女はイラク北部のモスルに住んでおり、米英軍とイラク軍との戦いでは、多くの負傷者の治療に当たって来ましたが、今イスラム過激派の勢力拡大状況で、キリスト教徒としてのリカアさんは、彼らの標的として「殺人リスト」の中に入っていました。
 モスルの町に住んでいた他の信徒たちで、このイスラム過激派に抗議した人々は、実際家を焼かれ、誘拐されて行方不明になり、次第に身の危険を覚えるようになりました。95パーセントを占めるイスラム教徒に対して、キリスト教徒はたったの4パーセント。でも後者は聖書に従い「平和を作り出す者」たちです。なぜ狙われるようになったのでしょうか。やはり教理の違いなのでしょうが、モスルから出て行け、さもなくば殺すというあらかじめの予告で、脱出を余儀なくされた人々が多くいるようです。
 リカアさんはイラクを出た後、日本の信州大学に留学し、現在白血病の研究をしています。そしていつかまた祖国に帰れる事を望んでいます。特に専門としている小児科で寄与したいという情熱を抱いています。それが実現出来ない、悲しい事です。
 リカアさんのような人について、聖書ではこう言っています。
 「確かに、キリスト・イエスにあって敬虔に生きようと願う者はみな、迫害を受けます」(テモテ第二3:12)。
 イエスご自身「もし人々がわたしを迫害したなら、あなたがたをも迫害します」(ヨハネ15:20)と言っておられました。
 イスラム圏の少数派のキリスト教徒、これからも厳しい状況に置かれるでしょうが、私たちも彼らの為にとりなしの祈りをし、真の平和の為に関わりたいものです。