ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

良いぶどうの作り方

 7月31日の朝日新聞beでは、何と本場フランスで良質のブドウとワインを作っている日本人新井順子さんの事が紹介されていました。
 新井さんの経歴を見ますと、最初は外資系保険会社に就職し、その後退職して入社した会社で初めてワインと関わりを持ち、それを契機にフランスのボルドー大学に留学し、ワイン醸造学を学んでいます。その後帰国してフランス料理店を始めますが、知人の情報で初めてフランスにブドウ畑を購入し、そちらに移住し生まれて初めて農業への挑戦を9年前から開始しています。
 彼女が作る上質なワインの秘訣は何でしょうか。それは機械を用い、化学肥料を使う一般のぶどう農家とは違うからです。すなわち彼女は「無農薬、有機肥料」を徹底させ、雑草は手でいちいち抜くという重労働をしているのです。葉も太陽光を十分浴びる事が出来るよう伸ばし、長さもはさみで丁寧に整えています。

図はフランスのぶどうの木で、ウエブサイトからの拝借。
 そのルポを読んだ時、まさにそれは人間が罪を犯してから「呪われてしまった」土地を「顔に汗を流して」改良し、挑戦し続ける彼女の知恵と力の賜物だと思いました。
 私も茨城にいた時、農業の真似事をし、無農薬、有機肥料という事を徹底させる事は出来たのですが、猛威を揮う雑草の力に手を焼き、得体の知れない雑草で手にうるしのような水泡を一杯作るようになって断念した次第です。ただ有機に徹する事により、良質でおいしい野菜の大量収穫があった事だけは貴重な体験でした。またそれは聖書への適用でも役に立っているので、自分の「密かな誇り」としています。今都会にあってそれが出来ないのは、はなはだ残念です。
 それに比べると、新井さんの試練は遥かに大きなものがあったわけですが、彼女は持ち前の明るさと頑張りで切り抜け、収穫したぶどうを丹念に仕込んで、本場の人々をもうならせる、本格的なワインを作り上げています。彼女の自然派農法を真似る現地の人々も現れているようです。ただフランス人の目からは、彼女はあくまで「異邦人」です。彼らとの軋轢もけっこうあるようで、その面は大変みたいです。
 さて聖書の記録では、かの大洪水を生き伸びたノアがぶどう畑を作り始めています。聖書地はぶどう作りにははなはだ適した土地だったのでしょう。多くの例や譬えが聖書に載っています。
 まず特徴的なのは、ぶどう畑やぶどうの木がイスラエルの譬えとなっている事です。それはエジプトから携え出され、約束地カナンに植えられたぶどうでした。「あなたは、エジプトから、ぶどうの木を携え出し、国々を追い出して、それを植えられました」(詩80:8)。主なる神がそれを成されました。彼らが約束地で主にあって豊かに暮らせるようにとのみこころでした。「彼らはみな、おのおの自分のぶどうの木の下や、いちじくの木の下にすわり、彼らを脅かす者はいない。まことに、万軍の主の御口が告げられる」(ミカ4:4)。日本からやってきて、脅かされずぶどう作りをしている新井さんのようです。
 しかしその後のイスラエルは神に背を向け、背信の子らとなってしまった為、主からこう言われました。「わたしは、あなたをことごとく純良種の良いぶどうとして植えたのに、どうしてあなたは、わたしにとって、質の悪い雑種のぶどうに変わったのか」(エレミヤ2:21)。新井さんの隣で化学肥料でぶどうを作っている人々みたいです。
 しかし最終的にイスラエルは主イエス・キリストのみまえに悔い改め、永遠に続く平和と繁栄を享受します。「彼らはそこに安らかに住み、家々を建て、ぶどう畑を作る。彼らは安らかにそこに住みつこう。回りで彼らを侮るすべての者にわたしがさばきを下すとき、彼らは、わたしが彼らの神、主であることを知ろう。」(エゼキエル28:26)。新井さんにいじめをしたフランス人たちは裁かれます。
 勿論その永遠の御国には、信仰を持った異邦人である私たちも加わります(異邦人である新井さんがフランス人の畑の隣で共存しているように)。