ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

ルーシーは石器を使って肉を食べていたのか

 8月11日のニューヨークタイムズ電子版は「ルーシーの親類は肉のついた食べ物をナイフで切り分けていた、と科学者たちは言っている」という題で、その内容を紹介しています。これには日本の朝日新聞も飛びつきニュースにしています(朝日は進化説をよく取り上げています)。それに対してAIGという創造論のサイトの8月15日「注目すべきニュース」では、それらの主張に反論しています。まず問題となった骨とその切り傷の写真を下に掲げます(サイエンティフィック・アメリカン電子版より。元の論文はネイチャー誌)。

 あまり鮮明ではありませんが、この動物の大腿骨と肋骨の化石に、鋭い石製道具で傷つけられた傷跡があるとの事です。それはたぶん間違いないでしょう。
 問題はこの食肉を処理していた人々(研究者たちはホミニン=ヒト族という言葉を使っています)が、ネイチャー誌のリチャード・ロヴェット氏によると、339万年前に生きていたという事です。それまでは最古の道具は250万年前とされていましたから、今回およそ80万年も遡り、一気に「世界最古」となってしまったわけです。
 その年代の根拠はニューヨークタイムズ電子版によると、「火山灰」による年代測定法としか書かれていませんが、ネイチャー誌電子版では、地磁気逆転の模様と、堆積速度の推定値に基づいているようです。サイエンティフィック・アメリカン電子版では触れられていません。通常こうした古い年代の地層では、放射性年代測定法が使用されますが、今回の発掘で使われたのかどうか不明です。そしてその方法でさえ、正しい値を示すかどうか疑問です(ハテヘイは昨年の創造論サイトの優れた論文を近く紹介するつもりです)。
 次に彼らの「親類」ですが、ネイチャーによるとこのエチオピアの遺跡は、かつてアウトラロピテクス・アファレンシス属(ルーシーの名で親しまれています)のうち、「ルーシーの赤ん坊」が見つかった330万年前の遺跡から、それほど離れていない地点だという事で、同じ属になっています。
 それから分かる事は、この鋭い石製ナイフで傷つけられた骨の発掘地点では、その道具は勿論、ヒト族の化石さえ見つかっていないという事です。さらに推定されている道具の元になる岩石は、骨の発掘地点から6キロも離れたところにあるというのです。ですからサイエンティフィック・アメリカン電子版は、将来道具が発見されれば、その問題は解決されるだろうなどと言っています。
 しかしニューヨークタイムズ電子版では、早くもルーシー発見者の一人であるティム・ホワイトが、「我々はこの地点で40年ほど研究してきたが、1個の石器さえそうした地層から見つけていない」、だから研究者たちの主張はその証拠を追い越してしまっている、と批判しています。
 たった2個の骨傷から「世界最古」などと決め付けるのは、研究成果を競う彼らの功名心と、マスコミの大袈裟な報道によるものです。
 ではAIGの「注目すべきニュース」ではどう言っているでしょうか。知性をもって創られた人間は、当然そうした動物の骨を傷つけるほどの道具を使いこなしていたでしょうし、堆積層から見れば、年代は400万年前どころか、今からおよそ4,500年ほど前に生じたノアの洪水という激変で、堆積物の中に埋没させられたものという主張です。動物の肉を食べたのなら、残った骨は不要なものとして小川などに捨てられ、ノアの洪水で化石化してものではないかと推測しています。うがった考え方です。
 「当時の世界は、その水により、洪水におおわれて滅びました」(ペテロ第一3:6)。