ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

女優故夏目雅子さんの苦悩と聖書の勧め

 朝日新聞夕刊は10月1日からニッポン人脈記で「がん その先へ」というシリーズに入りました。
 その第一回目では女優の故夏目雅子さんの事をその親族(兄、夫、そして2年前亡くなった母)が振り返っています。
 夏目さんと言えば18歳で役者デビュー、最初はカレンダーなどでその美しさに見とれていた事を覚えています。有名なセリフが出て来る映画「鬼龍院花子の生涯」は、テレビで見たような記憶があります。そんな彼女がある日役者の舞台から突然姿を消しました。マスコミは当然彼女を追いかけますが、入院と分かっても、どんな病状なのか全く情報が漏れて来ませんでした。故に私たちは彼女が何か重篤な病にかかったのではないかと推測していました。
 そして突如の死、原因は急性骨髄性白血病でした。27歳まだまだこれからが楽しみという若さ、残念に思いました。骨髄の造血幹細胞からは白血球(好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球)や赤血球などが作り出されますが、この白血球が未分化のまま急速に骨髄に蓄積するとがん化し、正常な細胞を破壊、血液の流れにも入って、行き着いた他の臓器をもがん化させる、いのちに関わる病との説明がネットにあります。脱毛や吐き気などを催させる抗がん剤使用後の寛解率はおよそ80パーセント、生存率40パーセントだそうです。決して高い生存率ではないでしょう。ちなみにhateheiは赤血球がビタミンB12の欠乏で正常に分化しない赤芽球が増え貧血を起こしています(胃全摘出の為)。
 そして記事を見ますと、雅子さんを見守る家族の方々は本人以上に大変辛い思いをしたようです。
 最初家族も医者も真実を雅子さんに告げていなかったのでしょう。ですから雅子さんは座長公演というものが好評だっただけに、入院を宣告された時「狂乱状態」に陥ったそうです。「公演をやめろと言うなら死んでやる」、そう叫んで低いうなり声をあげ、涙をぼろぼろこぼし、病院の窓から飛び降りようとしたそうです。兄と夫が必死になって止めたそうですから、いかにそれがすごかったか想像出来ます。
 それは病気を告知されてのものではなく(そういう場面でのすごさは、作家の渡辺淳一氏が初期の作品で描いています)、彼女にとって「いのちより大切な」公演を断ち切られる事への計り知れない無念さから出たものでしょう。女優という仕事に復帰出来ないのであれば、死んだほうがまし、鬼気迫るような異常さです。
 人は誰でも死にます。それは聖書によれば、自己の心のうちにある「罪」の為です。「罪を犯した魂は必ず死ぬ」(エゼキエル18:4口語訳)。ですから切羽詰った場で人は普段想像も出来ないような心の悪を露わにします。あの夏目さんが、ではなく、誰でもそうなのです。
 これは日常生活でいのちと死の事を見つめて、よりよい生活の質を求めて行く生き方というものが出来ない人なら、皆直面する事でしょう。
 救い主イエス・キリストはそのような、いのちよりモノや仕事の方を優先する生き方をとても残念がっておられます。
 「だから、わたしはあなたがたに言います。自分のいのちのことで、何を食べようか、何を飲もうかと心配したり、また、からだのことで、何を着ようかと心配したりしてはいけません。いのちは食べ物よりたいせつなもの、からだは着物よりたいせつなものではありませんか」(マタイ6:25)。
 これはキリストが弟子たちに言われた事ですが、未信仰者にも十分適用出来ます。
 もし夏目さんが急性骨髄性白血病をまず宣告され、次いでこのみことばを知らされたら、何が優先すべき事かを悟り、また違った道があったかも知れません。