ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

米国大統領の聖書読み違い

「さらに、【主】の使いは彼女に言った。『見よ。あなたは身ごもって男の子を産もうとしている。その子をイシュマエルと名づけなさい。【主】が、あなたの苦しみを聞き入れられたから。彼は、野生のろばのような人となり、その手は、すべての人に逆らい、すべての人の手も、彼に逆らう。彼は、すべての兄弟に敵対して住む。』」(創世16:11-12)

アブラハムの息子イシュマエル(女奴隷ハガルによって生まれた)の子孫は、広大なアラビア半島を居住の地として、活動を続けた「アラブ人」である。一方正妻の息子は約束の子イサク、その子孫が「イスラエル人」となる。イシュマエルはイサクを嘲り、バカにした。それで主は二人を分離させ、その子孫をそれぞれ一つの国民にされた。だからイスラエル人=ユダヤ人)とアラブ人は、今日に至るまで敵対関係にある。

アラブ人のうち、パレスチナの地に住んでいた人々がパレスチナ人である。聖書にはペリシュチーとして登場する。「わたしは、あなたの領土を、葦の海からペリシテ人の海に至るまで、また荒野からあの大河に至るまでとする。それは、わたしがその地に住んでいる者たちをあなたがたの手に渡し、あなたが彼らを自分の前から追い払うからである」(出23:31)。パレスチナ人は追い払われて難民となった民族と言える。ユダヤ人にとっては、全ての隣人は異邦人である。旧約によれば彼らは約束のものを相続出来ない。そしていつもユダヤ人から蔑視されていた。

しかし時が移り、イエス・キリストの時代になると、様相は全く異なった。イエスの教えは「『あなたの隣人を愛し、あなたの敵を憎め』と言われていたのを、あなたがたは聞いています。しかし、わたしはあなたがたに言います。自分の敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい」(マタイ5:43-44)という事であり、さらに進んで「『あなたの隣人を自分自身のように愛しなさい』という第二の戒めも、それと同じように重要です」(マタイ22:39)とも言われたのである(勿論第一の戒めは神を愛する事)。

これが新約の教えであり、信徒は敵対する隣人に対しては、まず愛し、祈り、努めて和解の道を追求する。それは良き知らせ(=エウアンゲリオン)、または「福音」である。

しかるに現大統領の取り巻きは、一般にエバンジェリカル(=キリスト教福音派)と呼ばれ、大統領の施策を支えている。福音派とは日本人が訳し誤って付けた名称だろう。彼らがアラブ人を敵視し、過激なアラブ人は暗殺すると言うのは、どういう事か。イランの革命防衛隊ソレイマニ司令官を殺害する事で、果てしない報復合戦が今後繰り広げられるかもしれない。これは誤ってキリスト教福音派と呼ばれている彼らが、まさにユダヤ人の信奉するユダヤ教、又は旧約の段階のみに留まり、ユダヤ教の人々と歩調を合わせているからに違いない。それはイエス・キリストの教えとは全く反する。

しかし広く考えてみると、それも聖書の成就の一つかも知れない。「また、戦争や戦争のうわさを聞くことになりますが、気をつけて、うろたえないようにしなさい。そういうことは必ず起こりますが、まだ終わりではありません」(マタイ24:6)というみことばがこれから実現するからである。

それなら一人の信徒として、大統領やその取り巻きを非難するより、気をつけ、うらおたえず、地道にイエス・キリストの福音を広めて行くのが使命だと信じる。