ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

RNA干渉と聖書への適用

 講談社ブルーバックスの最新刊『アメリカ版大学生物学の教科書』第3巻分子生物学の本を借りて読んでいて、RNA干渉という言葉にぶつかりました。アンチセンスRNAと一緒に出て来ますが、今回はこのRNA干渉という事象を考えて見ました。
その為に武村政春著『生命のセントラルドグマ』という本をもう一度読み返してみました。武村氏は生命科学の難解な分野をわかりやすく説明してくれる若手の学者です。
 高校生物ではおなじみですが、武村氏によれば「遺伝情報の伝達には『その情報がDNAからRNAへコピーされ(*転写)、それがタンパク質に翻訳される』という、決まった一連の流れが存在するのである…この流れこそが…一般に『分子生物学セントラルドグマ…』と呼びならわされている」とあります。
 ところが最近の研究ではこのRNAに注目が集まっています。セントラルドグマが崩れ、RNAの多様な働きが解明されつつあるからです。
 細胞の核内に存在する二本鎖DNAは、或る箇所からほどけた時、一方の鎖を鋳型としてメッセンジャーRNA(mRNA)を合成します。それは一本鎖で核から細胞質へと移動し、そこに存在するリボソーム上でタンパク質に翻訳されます。
 ところがごく最近、二本鎖の小さなRNA=マイクロRNA(miRNA)というものが存在する事が分かりました。これがmRNAを阻害、分解してしまい、タンパク質を合成出来なくしてしまいます。これをRNA干渉と言います。その働きは別の表現では翻訳レベル遺伝子サイレンシングというそうです。
 さらにこのmiRNAですが、何と核内にあるDNA情報がmRNAに転写されるのを阻害する働きがある事も分かって来ました。それは転写レベル遺伝子サイレンシングというのだそうです。小さな二本鎖RNAにはDNA→mRNA、mRNA→タンパク質の二段階の働きを阻害する作用があるという事です。
http://members.jcom.home.ne.jp/kisono/rna/rna.htm)から図面を拝借し、一部改変。
 もはや古典的な生命のセントラルドグマだけというのは通用しなくなりました。このRNA干渉という現象を発見した米国の二人の学者は、2006年ノーブル賞を受賞しました。
 このRNA干渉を聖書に適用してみますと、マイクロRNAは「悪魔=サタン」という事になります。メッセンジャー(*伝達)RNAは、DNAという父なる神のみこころを伝達する救い主イエス・キリストになります。タンパク質は多様な働きをもって父なる神のみこころを忠実に世に伝える信徒たちという事になるでしょう。タンパク質が発現しない場合、それは世の未信徒と言えるかもしれません。ですから悪魔による阻害はこの二つの段階で生じて、それぞれの働きを駄目にしようとする試みです。
 「イエスは言われた。『引き下がれ、サタン。「あなたの神である主を拝み、主にだけ仕えよ。」と書いてある。』」(マタイ4:10)。
 ここでは父なる神のみことばを忠実に伝える為世に遣わされたイエスが、サタンの阻害を受けておられる場面です。サタンはイエスに働き、その働きに干渉しようとします。
 「みことばが道ばたに蒔かれるとは、こういう人たちのことです――みことばを聞くと、すぐサタンが来て、彼らに蒔かれたみことばを持ち去ってしまうのです」(マルコ4:15)。
 これはイエスによる福音のみことばの種蒔きで、それを聞こうとする未信徒を阻害するサタンの働きを表しています。
 RNA干渉という現象から聖書へ適用してみました。