ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

510というかなりのDNA部分欠損が人間を人間たらしめているのか

 2011年3月10日、サイエンスニュースやフィズオルグのサイト(いずれも英文)で、上記のような類の題の論文が載っていました。元の論文はハワード・ヒューズ医学研究所のデビッドM・キングズリー氏による「欠けたDNAが私たちを人間たらしめている」(英文)です。
 それによりますと、彼とスタンフォード大学の研究者たちは、96パーセント(*実は違います。いわゆるジャンクDNAの働きを無視しています)のDNAを分かち合っているチンパンジーに存在し、人間には存在しない510のDNA断片を調べました。そのうちたった一つのものは、遺伝子の発現を阻害していましたが、残りの509の断片は規則的な配列を持ち、遺伝子を取り巻いているDNAに影響を与えていました。
 そうした断片を注意深く調べた研究者たちは、人間だけに存在するものとして「大きな脳」という特徴があり、チンパンジーなど他の種だけに共通して存在するものとして「感覚ウイスカー」(上顎部皮膚のひげ=頬髭)と、「陰茎棘」(オスのチンパンジーなどのペニスに存在する小さな髪の毛のようなトゲ)が特徴的でした。後者に関してはそれらの発現に関わる制御因子エンハンサーがチンパンジーなどに存在しますが、人間には欠けている為発現しないという事です。 
 既に他にも類人猿ではなく、人間のみに存在するものとして言語遺伝子FOXP2のcDNA(=相補的DNA。mRNAと相補的な塩基配列をもつ一本鎖DNA)塩基配列の変異(=306部位と326部位)と、2つの複合グルタミン伸長という特徴があります。
 これらの解釈では進化論信奉者たちと創造論信奉者たちで決定的な違いがあります。前者は進化の途上で510のDNA断片が欠落し、またFOXP2遺伝子の変異により、人間を人間たらしめるものにしたという事になります。後者は創造のはじめに人間は人間としてのDNA配列を持ち、チンパンジーにはチンパンジーとしてのDNA配列を持つように神が設計されたという事です。
 「神は、その種類にしたがって野の獣、その種類にしたがって家畜、その種類にしたがって地のすべてのはうものを造られた。神は見て、それをよしとされた。そして神は、『われわれに似るように、われわれのかたちに、人を造ろう。そして彼らに、海の魚、空の鳥、家畜、地のすべてのもの、地をはうすべてのものを支配させよう。』と仰せられた。神はこのように、人をご自身のかたちに創造された。神のかたちに彼を創造し、男と女とに彼らを創造された」(創世1:25−27)。
 この聖句の「種類」(ヘブル語ミン)が進化論における「種」(英語スピーシーズ)の進化との本質的違いなのです。
 DNAシークエンシング(=DNAを構成するヌクレオチドの結合順序=塩基配列を決定すること)によって解明された事実に対する「解釈」が大切です。創造論者は進化論の解釈も参照しますが、進化論者は創造論者の解釈を無視しています。