ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

チンパンジーとボノボの違いは進化によるのか

 4月6日のフィズオルグサイト(英語)に、「チンパンジーボノボの研究は社会脳の解明に役立つ」という題の論文が紹介されていました。一日遅れでサイエンスデイリサイト(英語)にも載っています。
 進化論では、チンパンジーボノボは共通の祖先から人間と共におよそ600万年ほど前に分かれ、互いに100〜200万年前に分かれたという事になっています。ボノボはヒト科チンパンジー属(進化論の分類)の類人猿で、ピグミーチンパンジーとも呼ばれています。
 ウイキペディアによると、既に両者には若干の違いがある事が分かっています。例えばボノボは性的行動では「挨拶や社会的な緊張緩和の行為として行われている」そうで、社会的には寛容性の高い動物です。一方チンパンジーは仲間同士でも大変好戦的である事が知られています。
 今回の新しい研究は、エモリー大学人類学部のジェイムズ・リリング教授が指導して行なわれました。
 研究者たちはボクセル単位形態計測法という手法(*二次元デジタル画像の単位としてピクセルが使われているのは、デジカメ写真関係でよく知られていますが、三次元の単位としてボクセルが使われます)で大脳皮質(灰白質)を、拡散テンソル画像法という手法で大脳白質を詳細に調べました。大脳辺縁系と呼ばれる大脳皮質内側にある古い皮質を視野に入れての事です。そこに海馬、扁桃体、前島といった記憶や情動に関わるものが存在します。
 その結果大脳辺縁系の神経回路において、ボノボチンパンジーに顕著な違いが出ました。前者の方が余計発達しているという事です。また扁桃体前前頭皮質というものを結ぶ経路も前者の方が大きい事も分かりました。下図で左がチンパンジーの脳、右がボノボの脳です。

 一方視覚系経路(道具の使用で重要な役割を果たしている事が分かっています)の比較では、チンパンジーの方が優っていました。
 研究者たちはこうした差がチンパンジー属=パン属のチンパンジー種とボノボ種を分けている事を、神経解剖学的な方法で改めて解明した事になります。
 ちなみに彼らの言う現生人類(ホモサピエンス)は、ヒト属=ホモ属として、チンパンジー属から進化した事になります。リリング教授らは、両者の違いがまたヒトの個人差を映し出していると、進化論的見地から主張しています。
 では私たち創造論者はどう主張しているのでしょうか。
 確かにチンプとボノボには若干の違いがあるものの、両者は同じ造られた種類の中の相違でしかありません(http://www.icr.org/article/bonobos-evolutionary-violence/参照)。最初両者の性質は「非常によかった」(創世1:31)のですが、それが攻撃性など社会的行動の差となった原因は、人間による神への反逆の結果としてもたらされた地への呪いにあります。
 でもいつか人間もチンプもボノボも平和に共存する時が来ます。
 「狼は子羊とともに宿り、ひょうは子やぎとともに伏し、子牛、若獅子、肥えた家畜が共にいて、小さい子どもがこれを追っていく。雌牛と熊とは共に草を食べ、その子らは共に伏し、獅子も牛のようにわらを食う。乳飲み子はコブラの穴の上で戯れ、乳離れした子はまむしの子に手を伸べる。わたしの聖なる山のどこにおいても、これらは害を加えず、そこなわない。主を知ることが、海をおおう水のように、地を満たすからである」(イザヤ11:6−9)。