ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

東電原子炉内の冷却水塩害

 4月7日朝日新聞夕刊では、「炉内の塩分を懸念」という題で、米原子力規制委員会の纏めた報告書の要旨を紹介していました。
 3月11日の東日本大震災は福島の原発をひどく損傷し、まず第一号機で水素爆発が起こり、格納容器の冷却が真水で出来なくなった為、海水を注入して冷やす措置がとられました。続いて第3号機も爆発を起こし、海水注入作業が行なわれました。さらに第2号機も爆発があって、同じく海水が注入される事態となりました。
 それはやむを得ない方法だったのかも知れませんが、私たち素人でもこの炉内圧力容器が鋼鉄製である事を知っています。であるなら鉄は海水の塩分で錆が速やかに発生すると考えます。当然廃炉という事を意識しての措置だったと思います。
 しかしスリーマイル島原発事故を経験し、それ以前のソ連チェルノブイリ事故も徹底的に検証していたであろう米国は、日本に対して速やかに再度真水へ切り替えるべきだという強い要請をしたそうで、約2週間後次々とそれが実施されました。
 それはなぜか。米原子力規制委員会の報告書では、この海水注入で錆などではなく、もっと厳しい状況に陥った事とそうなる可能性を指摘しているからです。
 つまり容器内でこの海水の塩分が結晶化し、燃料及び注水ノズルまで覆ってしまった為、冷却水の流れが著しく阻害されているという事と、放射線の影響で海水が真水よりもさらに水素ガスを発生させやすく、海水中に含まれている酸素と反応して再び水素爆発を起こす危険性が出て来たという二点です。
 こうなると塩は本来の性質を十二分に発揮し、それによって原始炉は全く駄目になり、さらに危険性を増加させるという役目を果たす事になります。
 私たちは日常の食事の支度で、味付けの為に使用する食塩がほんの僅かでも相当な影響を持ち、「かくし味」どころか内容を台無しにしてしまう事を経験しています。それほど塩というものは効き目があるわけですが、もし塩気を無くしてしまったらどうでしょうか。
 聖書にはこう書かれています。
 「あなたがたは、地の塩です。もし塩が塩けをなくしたら、何によって塩けをつけるのでしょう。もう何の役にも立たず、外に捨てられて、人々に踏みつけられるだけです」(マタイ5:13)。
 これは救い主イエス・キリストがその弟子たちに対して言われた事です。彼らが塩のように独特の良さで救い主を証していなかったら、もうクリスチャンとして役に立たなくなり、世俗の世界に捨てられてしまうという事への警告です。この場合信徒の塩気が効いていれば、十分にその賜物を用いて力を発揮出来るのです。原発の炉心への海水の注入は、それが十分効き目のある為、かえって炉を駄目にしてしまうという反例でした。
 私たちは塩の使用では十分心して臨む事が大切です。