ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料=MOX燃料の危険性

 3月11日の東日本大震災で被災した福島第一原子力発電所の第3号機は、14日水素爆発を起こしました。
 この3号機だけにウラン・プルトニウム混合酸化物燃料=MOX燃料が使用されていた事は、あまり知られていません。アサヒコムサイトの2010年9月24日の記事に「東京電力は23日、福島第一原発3号機(大熊町、出力78.4万キロワット)で発電用タービンを起動し、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使ったプルサーマル発電を始めた」とあります。従って重大事故はほぼ半年で起きたわけです。
 プルサーマルとは故高木仁三郎氏の『証言』という本によると、「プル(トニウム)をサーマル(リアクター)で燃やすという意味の和製英語」だそうです。そしてサーマル・リアクターとは、正しくは「サーマル・ニュートロン・リアクター」(=熱中性子炉=軽水炉)の事です。高木氏の本によれば、「高速中性子核分裂反応に用いる高速炉に対して、よりエネルギーの小さい熱中性子=サーマル・ニュートロンを用いる原子炉を指す。つまり、ふつうの原発のことである」と書かれています。再度デジタル大辞泉を見ると、「少量のプルトニウム239を加えたウラン燃料(MOX燃料)を熱中性子炉(軽水炉)で燃やすこと」が、日本語で言うところの「プルサーマル」になります。
 そして原発の核燃料の主体をなすウランは、ウラン鉱石の採鉱から始まりますが、その時のウランの99・3パーセントが核分裂しにくいウラン238で、僅か0・7パーセントのウラン235(これが核分裂しやすい)しか含んでいないそうです。ですから熱中性子炉で核分裂を持続的に維持するには、後者のウラン235を3〜5パーセントに濃縮する作業が不可欠になります(上記の本より要約)。
 それ故熱中性子炉のMOXでは、この濃縮ウラン235と4〜9パーセントのプルトニウム239が混合されるようです(*プルトニウム239は、ウラン238が炉内で中性子を吸収しても生成されます)。間違いがあったらごめんなさい。
 故高木氏はこのうちのプルトニウムの危険性を指摘し、ライト・ライブリフット賞(第二のノーベル賞と呼ばれる権威あるもの)を受賞しています。その後の世界中の研究ではそれが実証され、日本だけがこの使用に固執していたようです。それが今回の第3号機で徒となりました。
 3月26日のサイエンティフィックアメリカン電子版(英語)で、核拡散防止や核テロなどの問題に取り組んでいるエドウイン・ライマン博士は、「MOXは通常のウラン燃料よりも核事故を起こしやすく、事故時にはさらに有害な物質を放出しやすい」「炉心溶融による放射能漏れでは、アメリシウム241やキュリウム242といった高度の放射性同位体が含まれ、低濃縮ウランの炉心溶融よりも、さらに死に至る危険性が出て来るだろう」と警告しています。
 このウランとプルトニウムの混合酸化燃料を使ってはいけない事は、聖書にある「牛とろばとを組にして耕してはならない」(申命22:10)という危険性の現代版と言えるでしょう。