ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

内閣官房参与の小佐古敏荘東大大学院教授が政府の原発対応を批判し辞任した出来事

 2011年4月30日、政府の原発事故対応で内閣官房参与に指名されていた小佐古敏荘東大大学院教授がその役を辞任しました。
 その原因となったのは小学校などの校庭利用で、文部科学省が採用した年間20ミリシーベルト以下という屋外活動制限基準でした(4月19日通知)。
 この20ミリシーベルトという数値については、4月29日に国際環境NGO(*非政府組織)FoE(*地球の友)Japan(*日本)が、緊急の強い抗議文書を英文(日本文も)で出しています。
 小佐古敏荘東大大学院教授は元々政府の「御用学者」であるとの評判が高い人ですが、今回は「とんでもなく高い数値。年間1ミリシーベルトで運用すべきだ」と述べて内閣官房参与を辞任しました。小佐古氏の過去がどうであれ、この出来事は年間許容量20ミリシーベルトという基準の危険性を、一般の人々に焼き付けたという点で評価されます。
 また1985年のノーベル平和賞を受賞した「社会的責任を果たすための医師団」(PSR)(前の団長アイラ・フェルファンド医学博士を含む)も、この数値が米国の原子力関連施設で働く人々の年間許容量であり、子どもの場合大人よりも余計がんにかかる危険性が高いので、その被爆量は到底安全とは言えないと、小佐古氏に同調し、日本政府の対応を非難しています。
 しかし管政権は「国際放射線防護委員会の勧告を踏まえた」とする高木文部科学相の主張を取り入れる形で、そうした批判に反論しています。勿論バックには原発推進派の議員その他多くの取り巻きがいた事でしょう。
 そこで思い出すのが、聖書の列王第一12にある記事です。
 イスラエルの偉大な王ソロモンが死んだ後、王権を受け継いだのはレハブアムでした。それに対してソロモン王の時、エジプトに逃れていたヤロブアムが案を持って来ました。
 「あなたの父上は、私たちのくびきをかたくしました。今、あなたは、父上が私たちに負わせた過酷な労働と重いくびきとを軽くしてください。そうすれば、私たちはあなたに仕えましょう」(列王第一12:4)。
 これは尤もな案のように見えましたが、レハブアム王はソロモン王に仕えていた長老たちに相談しました。どう対処すべきか…。長老たちはヤロブアムの案が妥当だと返答しました。
 ところがレハブアム王は何を思ったか、次のような行動をとりました。
 「しかし、彼はこの長老たちの与えた助言を退け、彼とともに育ち、彼に仕えている若者たちに相談して…」(列王第一12:8)。
 彼は愚かにもベテランの長老たちではなく、一緒に育ったまだ経験もろくに無い若者たちに相談したのです。若者たちは長老たちの意見とは異なり、もっとくびきを重くすべき事を進言しました。
 レハブアムは若者たちの意見を入れ、結果的にはヤロブアムとイスラエルは自分たちの天幕に帰り、王国は分裂しました。
 この記事から長老たちを小佐古敏荘教授と見立てれば、管政権はこうした安全学の専門家の意見を受け入れず、若者に譬えられる原発推進の御用学者や官僚たちの主張を採択した事になります。年間1ミリシーベルトの「軽いくびき」か、20ミリシーベルトの「重いくびきか」。
 その争いは今後どう展開するでしょうか。被害を被るのは、年間20ミリシーベルトを浴びる地域住民たちです。愚かなるレハブアム派の管政権よ!