ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

クラゲの目は本当に下等なのか

 2011年5月2日の朝日新聞に、「クラゲの目 実は高性能」と題した論文の概略が載っていました。
 米国のカレント・バイオロジーという誌の電子版にありますが、勿論その要約しか読めません。それでもある程度の事は分かります。
 研究対象になったのはハコクラゲ(ボックス・ジェリーフィッシュ)というカリブ海に生息する体調1センチほどの毒クラゲだそうです。

 論文によりますとこのクラゲには「上部レンズ眼」(ULE)と呼ばれる目があって、水中でどんな姿勢になろうと、上を向く性質があるそうです。上記写真でも2つの姿勢と、拡大した「上部レンズ眼」が見えます。そしてそれはマングローブの頂上を覆う密生した茂みを、8メートル以内の距離なら認識出来るそうです。
 朝日の記者は「『下等』と思われる生物にも精巧な視覚系がある例として注目される」と述べています。姿勢の如何を問わず、常に目が水中で上を向いているのが面白いです。
 既に2008年9月16日のサイト記事では、大阪市立大の寺北明久教授と小柳光正講師が「アンドンクラゲ」というものを調べて、決して「原始的」ではないその構造を解明した事を報じています。この記事の題は「人間の目はクラゲ起源か 光とらえる仕組み類似」となっており、クラゲのレンズと網膜を透して捕らえた光に「視覚器」がどう反応しているかが究明され、情報伝達に関わるタンパク質や、そのタンパク質に情報を伝えている「環状ヌクレオチド」が、「人間と共通である」事が確かめられました。
 視細胞の仕組みは、無脊椎動物脊椎動物で異なっていますが、今回の研究結果で、無脊椎動物であるクラゲの目が光を捕捉する仕組みは、脊椎動物に近いと寺北教授らは言っています。
 カレント・バイオロジーに投稿したコペンハーゲン大の教授らや、大阪市大の寺北教授らは、勿論「進化論者」です。ですからクラゲの持つ複雑な目の構造を進化論の観点からは捉えられず、困惑しているように見えます。
 そんな事を考えていた時、図書館から岩掘修明長崎国際大学教授の書いた『感覚器の進化』という本を読みました。題名からしても当然無脊椎動物(クラゲ含む)から脊椎動物へと、視覚器の進化を述べています。
 しかしブルーバックス2011年1月の発売であるにも関わらず、教授は上記寺北教授らの研究成果を「無視しています」。
 教授はクラゲが従来から知られている原始的な「眼点」を持ち、その性能は「明暗視ができるだけであると考えられる」と独断的に推測しています。
 ですから進化論者たちには「進化の枠組み」の中での思考しか出来ず、その研究には常に偏見がかかっています。
 創造論者なら、クラゲも人間も神の創造の産物であり、腔腸動物ならその種類内で自由に多様な目を形造られたと考える事が出来ます。