ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

世界的伝染を防ぐのに不可欠な32万もの新しい動物ウイルスを割り出す

 「大地震があり、方々に疫病やききんが起こり、恐ろしいことや天からのすさまじい前兆が現れます」(ルカ21:11)。
 2011年9月3日のタイム誌サイトで、上記の題の論文紹介がありました。米国コロンビア大学のイアン・リプキン教授らによる成果です。
 この記事の副題は「バングラデシュのオオコオモリから集めたデータは、野生生物から生まれたさらに多くのウイルスが人間に移り得る」というものでした。左下図はオオコオモリ。

 ところがこの論文mbioというサイトで、無料で閲覧出来るのですが(http://mbio.asm.org/content/4/5/e00598-13)、長文過ぎて全体が把握出来ず、かといってタイム誌だけでは肝心なところが分かりません。他の科学サイトの解説を参照しながら、まとめてみますと、研究者たちはバングラデシュに生息するオオコオモリに目をつけて、繰り返しそのサンプルを集めて分析しました。それは動物原性感染症をもたらす病原体を多く持つ野生動物です。その病原体の多くはウイルスです。そしてオオコオモリの9つの科から55のウイルスを見つけました(ほぼ全てで宿主特異性があります)。それにはさらに脊椎動物や植物の生物多様性も加味して、この9つの科のウイルスの総体を58(最大ウイルス運搬能力)としました。それらは「ウイルス多様性」と呼ばれています。それらが人間にエイズ、エボラ熱、豚インフルエンザなど、深刻な感染症をもたらしています。左下図はオオコオモリで見つかるニパウイルス。

 もし5,486の哺乳類種に平均58ものウイルスがあるとしたら、それらを掛け合わせると、発見を待っている未知のウイルスの総数は32万ほどになります。
 研究者たちは「ここ10年間、世界的流行となるウイルスの脅威に直面していましたが、環境や野生動物の中にどれほどのウイルスが待ち伏せし、出現を待っているか分かりませんでした。でも今や私たちは大発見をしたと思っています。数百万もの未知のウイルスがあるわけではなく、ほんの数十万だけです。ですから私たちは持てる技術で自分の生涯のうちに、地球上のあらゆる未知のウイルスを特定する事が出来ます」と言っています。
 しかしそれでもそんな数のウイルスが人に感染し、大流行するようであれば、相当の脅威となるでしょうね。