ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

退職高齢者集団福島原発付近で活動へ

 5月23日の朝日新聞夕刊では、そのトップではなく10面において、「72歳『原発作業、60歳以上が行こう』」という題で、紙面の4分の1位の比較的小さな記事が載っていました。切り抜きはしなかったのですが、記憶にあって取り出す事が出来ました。なぜそんな事をしたのかと言いますと、この副題にある「165人が応募、論議呼ぶ」という文言などが大きな反響を呼び、日本国内だけでなく諸外国で取り上げられている事をネットで知り、且つ6月2日のタイム誌(英文)でも見たからです。
 それらによりますと、都内に住む72歳の退職技術者山田恭暉さんは、危険で復旧作業が遅れている福島第一原発に乗り込んでその作業を促進すべく、「福島原発暴発阻止行動隊」を結成しようと、知人らに対してメールや葉書で呼びかけました。
 山田さんは朝日コムの記事によると、「東大工学部を卒業後、住友金属工業で勤務し、プラント建設などに従事。原子力に関する知識もあ」る人と出ていました。ですから高濃度の放射能で汚染された原子炉付近で、被爆を最小限に抑えつつ作業するには、うってつけの人と思われます。山田さんが呼びかけた時の条件は60歳以上で現場重労働が可能な体力と意思がある人という事でしたが、実は山田さん自身が68歳の時悪性腫瘍に罹患し、再発するかどうか様子見の最中だったようです。それ故72歳になり、そうした身体でもあえて重労働に服するという、並々ならぬ決心をされたと推察します。
 というのは、報道でもご承知のように、放射性物質の直接被爆や体内での持続的な被爆は、若い世代で大きな影響を及ぼし、やがて生まれて来る子どもたちもその被害を免れないので、そうした人々は危険な作業を避けて欲しいという山田さんの強い願いがあったからでしょう。60歳以上であれば「もう余生も20年以下となって、放射能がガンを誘発する前に寿命は尽きるからと考えている」(ネット記事より)からです。
 また東電が下請けや孫請けの、放射能に対する基本知識も現場経験もない若い労働者たちを募って働かせている事実に、「義憤を感じた」のかも知れません。
 この呼びかけに対して5月23日現在で、165人もの人々が応募したとの事です。「東大名誉教授、元自衛官、大型クレーン運転手、元溶接工、とび職など多彩な人材が名乗りを上げた」との事です(朝日コムより)。
 タイム誌では6月1日現在、そうした人々が250人に達した事を報じています。そしてタイム誌は、禁欲的・利他的な日本人の取り組みには目を見張るものがあったと述べた上で、高齢者たちのうち、これほど偉大な集団的・犠牲的精神を持った人々はどこにもいないと言った意味の賛辞を書いています。
 諸外国のニュースや記事では「決死隊」という言葉が飛び交ったようです。
 聖書のヨシュア記には、約束地カナンを征服し続けて来た指導者ヨシュアが登場しますが、彼も「年を重ねて老人にな」りました。仏なら「退職すべき」歳でしたが、主なる神はこう言われました。
 「あなたは年を重ね、老人になったが、まだ占領すべき地がたくさん残っている」(ヨシュア13:1)と言って、そのリタイアを認められませんでした。
 そのように私たちも60歳を過ぎて体力が余っているなら、これまで培った経験を生かし、危険な仕事でもあえて挑戦してみようではありませんか。