ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

加齢による目のレンズの黄変と不眠症の関係

 201年9月6日のサイエンスデイリサイト(英語)では、「新しい研究によると、老化の進んだ目は晩の不眠症と関連ある事が示された」という題で、論文が紹介されていました。元の論文は米国のスリープ(睡眠)誌のニュースに載っています。著者はデンマークにあるグロストラップ病院眼科の上級研究員ライン・ケッセル医学博士です(http://sleep.health.am/sleep/more/aging-eyes-linked-to-sleepless-nights/)。
 それによりますと、人は老化が進むと共に不眠症に悩まされますが、その理由は目のレンズにおける黄変と関連があるという事が今回示されました。
 太陽から発せられる可視光線をその波長の短い方から並べて行くと、紫→青紫→青→青緑→緑→黄緑→黄→黄赤(橙)→赤となるそうですが、そのように色が順に移り変わる事をスペクトルと言います(ウイキペディア参照)。そのうちの青色のものが正常の睡眠周期に影響を与えています。なぜならそれは脳のメラトニンというホルモンの放出開始に一役買っているからです。メラトニンは眠る時間になった時、身体に信号を送るのを助けます。ですから目のレンズの色が黄色に移って行くと、青色の透過性が悪くなり、メラトニンの作用は弱まります。
 今回970人のボランティアたちが加わり、自動レンズフルオロメトリー(どれ位の青色光が網膜に伝わるかを決める侵襲性のない方法)により、目を調べてもらいました。彼らは睡眠薬の処方を受けたり、不眠症と診断されている事を認めた為、皆睡眠障害を持っていると見做されました。
 その資料からケッセル博士らは、青色光の透過と睡眠障害との関係を調べました。すると目のレンズの黄変により、網膜への青色光の伝わり方が低いほど、睡眠障害の危険性が高まる事が分かりました。加齢が原因のこの黄変は、視覚機能にはあまり関係がないけれども、お年寄りの不眠症の原因である可能性が高いという事になりました。年齢、性別、糖尿病、喫煙、虚血性心疾患などの要素を加味して補正した後でも、なお青色光のレンズ透過の度合いと睡眠障害との関連性はかなりあるだろう、とケッセル博士は言っています。なお青色光透過の度合いの低さは、白内障手術によってしか改善されないそうです。逆にそれを受けた患者に睡眠薬を処方するのは再考が必要だという事になります。ほぼ睡眠障害がなくなっているはずだからです。
 私はお年寄りの睡眠障害と薬の処方を軽く考えていましたが(介護施設では日常の事)、これからは自分の事も含め考え直します。
 聖書にもそうしたお年寄りが居たようです。「非常に年をとっていた」祭司エリには不肖な息子が二人もいてました。どうも彼はそれを気にかけていて不眠症だったようです。そこで主なる神はエリに警告しました。
 「わたしは、ひとりの人をあなたのために、わたしの祭壇から断ち切らない。その人はあなたの目を衰えさせ、あなたの心をやつれさせよう。あなたの家の多くの者はみな、壮年のうちに死ななければならない」(サムエル第一2:33)。
 それによりますと、老年のエリは人を通して目を衰えさせられます。それは目のレンズを青色→黄色へと変化させた事かもしれません。それで心をやつれさせられたので、彼は極度の不眠症になったのではないでしょうか。身体は鈍重です。98歳の時ほとんど目が見えなくなっていました。それに不眠から来る体調不良が重なり、二人の息子たちの死を知らされた途端くらくらし、地面にあおむけに落ちて首を折って死にました。
 というわけで、またナンセンスと言われるかもしれませんが、科学による成果が聖書箇所の理解を深めるのには役立ちました。