ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

華やかだったジョブズのアップルとその暗部

 2011年10月6日のタイム誌電子版に「スティーブ・ジョブズの夢の暗い面」といった題のルポがありました。
 アップル社の最高経営責任者にして優れた企画者であり、独自のコンピューター開発やiPHONE、iPOD、iPADなどの製品を世界中に普及させた人物として、スティーブ・ジョブズ氏の名は、たとえその製品を使った事の無い人(私もその1人)でも、よくご存知でしょう。何しろ10月5日死去のニュースは、あっという間に世界中に伝わったからです。ライバルだったマイクロソフト社のビル・ゲイツ氏(現在は退任)も哀悼の意を表し、オバマ大統領も「人類史上まれな功績を残し、我々の世界の見方を変えた。アメリカで最も偉大な革新者の一人」と言って称えた程です。インタヴューを受けたアップル製品の愛好者たちも、一様に彼の業績故に、その死を悼みました。

 そうした彼の良い面ばかり伝えられるので、一点の曇りもない人物のように評価されてしまいます。しかしタイム誌電子版(英語)で、ブライアン・ウロルシュという人が、上記の題で彼の暗部をも紹介しています。
 それによりますと、アップル社の製品の多くは台湾に本社があり、その工場のほとんどを中国で維持している電子部品会社フォックスコンで製造されています。そこでウエブサイトのウイキペディアを参照しますと、電子機器の生産をを請け負う会社としては世界最大である鴻海精密工業のブランド名とありました。
 その工場に勤める人々の多くは、中国の出稼ぎ労働者であると言われています。彼らにはアップル工場はさぞ魅力的な職場と映った事でしょう。
 しかし実態は異なりました。彼らは1日10時間以上働き、昼の休憩時間その他は僅か10分だけ、組立ラインに突っ立ったまま何度も何度も同じ作業を繰り返さなければなりません。次から次へと出される新製品に向けて過重労働を強いられるので、身体がついて行けず、過去数年間に15人以上の自殺者が出ました。
 別のサイトの情報によれば、昨年6月の賃金はそれまで月に僅か900元(1万2000円ちょっと)だったのが、1200元にアップし、さらに10月にやっと2000元(約2万7000円)になったばかりだそうです。ウイキペディアでは別に1日15時間、月の残業80時間超の労働という情報もあります。自殺率の高い日本だったら、もっと自殺者数が増えたかも知れませんし、すぐに体力の限界を感じて辞めてしまうかも知れません。
 こうした過酷な労働環境を視察に来たロイター通信の記者は、警備員から暴行を受けたとの話もあります。
 このタイム誌の記事から、7月20日に書いたブログ記事のアマゾン社を思い出しました。その最高経営責任者ジェフ・ベゾスも顧客第一主義を貫いている為に、本好きにはまことに便利なオンライン書店ですが、市川での物流センターに潜入した人のルポでは、そこでも想像を絶する過酷な労働が強いられています。
 そうした事を考えると、スティーブもジェフもカリスマ経営者なのでしょうが、どうしても知られたくない暗部があります。光と影です。従業員への奴隷労働の強制です。真に優良な企業のトップであれば、その従業員の事も大事に扱うでしょう。そこで思いついた聖句は、私の主である神のご性質です。
 「すべての良い贈り物、また、すべての完全な賜物は上から来るのであって、光を造られた父から下るのです。父には移り変わりや、移り行く影はありません」(ヤコブ1:17)。
 父なる神にあるのはただ光だけで、影の部分は全く存在しません。全ての被造物に愛と哀れみを持って臨まれます。