ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

米国緊急中絶手術を拒否出来る法案提出

 2011年2月4日のエグザミナーというウエブサイトに、「H.R.358法案は緊急中絶手術を否定し、女性が死ぬのを認めた」といった題の記事がありました。その後この法案の審議は続いていたのでしょうが、10月12日の更新記事で、もし共和党議員がこの法案を通すなら、オバマ大統領は拒否権を行使するつもりだという論評がありました(http://www.examiner.com/democrat-in-national/abortion-obama-will-veto-hr-358-let-women-die-act)。
 この358法案は「命を守る法」という事ですが、今回「女性を死なせる法」というあだ名が付けられました。
 なぜそうなのでしょうか。この法案に関する情報が少なく、また複雑な米国の保険制度もよく理解出来ていないので、うかつな事は言えませんが、上記サイトの情報から分かるのは、母体が危険でやむを得ず緊急中絶手術を行なわなければならないという事態になっても、病院はそれを拒否する事が出来るという点と、この事態でたとえ自費で全てを賄っても、州の医療保険との間での交換(*この言葉の意味が分かりにくいです。要するに日本と同じで、一定以上の医療費について、後で保険から支払いますよという事でしょうか。どなたか教えて下さい)を禁止するという点です(さらに付け加えるなら、女性が中絶サービスについての情報を受け取る事も禁じています)。現行計画で中絶そのものが保険の担保範囲となっていないようですが、それより連邦政府資金を少しでも削減しようとする共和党の思惑もあるでしょう。
 確かに保守的な共和党が、妊娠中絶は胎児を殺すものとして受け入れないのは、聖書から見てもその通りだと考えます。しかし母体が危険にさらされ、放置しておけば死ぬだろうという緊急事態でも、医者がそれを拒否出来るというのはひどい事です。ニューヨークタイムズによれば、共和党の広報担当者はそこまで否定はしないけれど、過去に医者が中絶を拒否した女性が後で死んだ例はないなどと言っています。リベラル系インターネット新聞ハフポストでも、これは野蛮な法律だとか、全く馬鹿げた法律だと厳しく非難しています。
 なぜ日本に情報が入って来ないこのH.R.358を問題にするのかと言いますと、そうした行為こそ救い主イエス・キリストが非難されたからです。制度=律法をたてに、安息日にはいかなる労働もしてはいけない、従ってその日に人が死にそうな事態が生じても助ける行為をしてはいけないと命じる、硬直したパリサイ人・律法学者たちがいたのです。
 「イエスはまた会堂にはいられた。そこに片手のなえた人がいた。彼らは、イエス安息日にその人を直すかどうか、じっと見ていた。イエスを訴えるためであった。イエスは手のなえたその人に、『立って、真中に出なさい。』と言われた。それから彼らに、『安息日にしてよいのは、善を行なうことなのか、それとも悪を行なうことなのか。いのちを救うことなのか、それとも殺すことなのか。』と言われた。彼らは黙っていた。イエスは怒って彼らを見回し、その心のかたくななのを嘆きながら、その人に、『手を伸ばしなさい。』と言われた。彼は手を伸ばした。するとその手が元どおりになった」(マルコ3:1−5)。
 もしこのH.R.358法案により、中絶手術を拒否された女性が病院の床で死ぬような事があれば、主イエスはそのような法を作った共和党議員も、手術しなかった医者をも、来たるべき時に裁かれるでしょう。共和党キリスト教信徒に猛省を促します。