ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

西宮の自宅を売り払って名器ストラディバリウスを購入した辻久子さん

 2011年11月10日の朝日新聞夕刊のコラム「人生の贈りもの」では、バイオリニスト辻久子さんが登場し、この日で4回目になります。
 私は辻さんの名前は知っていても、その演奏を聴く機会はありませんでした。その演奏を高く評価したダビッド・オイストラッフのものはFMなどで何度も聴いた事があります。
 今回の朝日のコラムは、既にネットでも有名になっている自宅を売り払っても、ストラディバリウス(3500万円)を購入した辻さんについて、本人がその経緯を語っています。
 それによりますと、先生であるダビッド・オイストラッフ(ストラディバリウス使用)がドイツ製のバイオリンを弾く辻さんの演奏を聴いた途端、「お前のバイオリンは悪いから、これで弾け」と言われたそうです。
 しかしストラディバリウスと言えば、大抵の音楽好きが知っています。イタリアの弦楽器製作者アントニオ・ストラディバリが作ったバイオリンの名器であり、17〜18世紀に作成したおよそ1200ものバイオリンのうち、残っているものが僅かである為極めて高価であり、普通の音楽家では手が出ません。ウイキペデイアによりますと、2011年6月に落札されたものが12億7420万円だったそうです!
 辻さんはどうしたらそれが購入出来るか、日々悶々として考え続けました。しかし1973年大阪での展示会で出会った3500万円のストラディバリウスを実際に弾いて見ると、全く従来のものと異なりました。「これだ」と思い、「ひょっとしたら、家がそれくらいで売れるかも」と思いつき、不動産屋に電話したら、家の見積もりとぴったり一致した為、遂に家を売却して購入したのです。
 以来辻さんはその名器を手放した事がないとの事でした。

 しかし良く考えてみましょう。辻さんはたまたま家が西宮の「高級住宅街」にあって、高い代価を支払っても、名器を買う事が出来ましたが、そうでないビンボーな音楽家ではそれが不可能です。ではストラディバリウスを使えない人が名演奏家になれないかと言えば、絶対違うと思います。だいたい私たち庶民は演奏会に出かけて、奏者の音色の美妙な違いを聴き分けられる筈がありません。それより演奏家の奏でる「音楽」そのものを堪能したいからです。
 信仰者でバッハやメンデルスゾーンなどの宗教音楽を愛好する人は、そこに作曲者や演奏家を通して、背後におられる神の栄光を見る為出かけるわけです。
 私は辻さんが「自分の栄光」の為に、魂の渇きを癒すストラディバリウスという「モノ」の購入に走ったと見ています。しかし神はそうしたモノに頼る人を顧みられません。神の栄光を表わさない人は結局その携えるモノと共に滅び去るでしょう。
 では神は未信仰者に何を求めておられるのでしょうか?次の箇所をご覧下さい。
 「ああ。渇いている者はみな、水を求めて出て来い。金のない者も。さあ、穀物を買って食べよ。さあ、金を払わないで、穀物を買い、代価を払わないで、ぶどう酒と乳を買え。なぜ、あなたがたは、食糧にもならない物のために金を払い、腹を満たさない物のために労するのか。わたしに聞き従い、良い物を食べよ。そうすれば、あなたがたは脂肪で元気づこう」(イザヤ55:1−2)。
 ここでは勿論救い主である神が、富者であろうと貧者であろうと、「救い」をただで買えという事を伝えておられます。ローマ・カトリックが犯した最大の罪は、中世に発行した「贖宥状または免罪符」です。これを購入する事で、救いが手に入るというものでした。
 しかし主なる神の救いは、誰にでも無償で提供されています。それを受け入れる人は直ちに魂の充足が得られ、みことばを通して働かれる脂肪=聖霊によって生まれ変わり元気になります。それは永遠まで続きます。ですから救いのみことばを日々開く人は、たとえ様々な困難があろうと、常にそこに平安と満足を見出す事が出来るのです。