ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

大王製紙前会長の放蕩と罪

 2011年11月23日の朝日新聞は、大王製紙の子会社に巨額の損害を与えたとして逮捕され、真相を追求されていた前会長井川意高容疑者が、詳しい供述を始めた事を報じていました。
 ネット情報によりますと、大王製紙東証1部上場企業で「紙に関してはあらゆる分野」を手がけ、おそらく堅実な成長を遂げていたと思われます。ただ役員報酬としては年収およそ1,600万円で、ランキング93位となっています。
 実際井川前会長がどれ位収入を得ていたか分かりませんが、正業に真面目に精を出して働いていれば、およそ問題も起こさないほど豊かだったのでしょう。
 しかし井川容疑者は自らの収入に満足する事なく、ずっと株式の先物取引やFX(=外国為替)取引に手を出し、大きな損失を被ったようです。
 そのような時にたまたまマカオのカジノを訪れて勝負に勝ち、大きな利益を得たそうです。それがいけませんでした。以後彼はギャンブルの世界にのめり込み、放蕩に金をつぎ込みました。勝っている時は気分も昂揚し、これで損失を埋められると考えたのでしょうが、ずっと続けた為ご多分に漏れず負けがこみ、遂に窮するようになってしまいました。そこでよく考え反省した上で、初心に戻って真面目に会社の仕事に打ち込んでいれば問題は解決出来たのかも知れません。 逮捕されて塀の中で過ごしている今は、「反省」という言葉が出て来るでしょうが、カジノで窮した時「悔い改め」をし「金銭を愛することが、あらゆる悪の根」(テモテ第一6:10)と言われる神を信じて拠り頼めば、神はきっとその「紙業」を祝福されたに違いありません。
 彼はそこで悪い考えに至った為、「奈落の底」に落ち込みました。即ちまず知人に拠り頼んで借金をし、次に親族の経営する企業から借金をしてやり繰りしようとしましたが、ことごとく散財し、遂に連結子会社からの借り入れを始めてしまいました。昨年5月から今年の9月まで、その借入金奏楽は何と106億8千万円にのぼったとの事です。私たちは腰を抜かしますが、カジノでは驚かない額だそうです。
 これから最終的に足が付き、前会長は特別背任という会社法違反の罪に問われ、東京地検特捜部に逮捕されました。もはや彼は友人からも親族からも関連企業の人々からも見放され、一生その罪を負って行かなければなりません。
 こうした放蕩な散財の例は聖書にも載っています。有名な「放蕩息子の譬え」です。ルカ15:11−32にあります。少し長いですが、引用します。
 「ある人に息子がふたりあった。弟が父に、『おとうさん。私に財産の分け前を下さい。』と言った。それで父は、身代をふたりに分けてやった。それから、幾日もたたぬうちに、弟は、何もかもまとめて遠い国に旅立った。そして、そこで放蕩して湯水のように財産を使ってしまった。何もかも使い果たしたあとで、その国に大ききんが起こり、彼は食べるにも困り始めた…しかし、我に返ったとき彼は、こう言った。『父のところには、パンのあり余っている雇い人が大ぜいいるではないか。それなのに、私はここで、飢え死にしそうだ。立って、父のところに行って、こう言おう。「おとうさん。私は天に対して罪を犯し、またあなたの前に罪を犯しました…こうして彼は立ち上がって、自分の父のもとに行った。ところが、まだ家までは遠かったのに、父親は彼を見つけ、かわいそうに思い、走り寄って彼を抱き、口づけした…ところが父親は、しもべたちに言った。『急いで一番良い着物を持って来て、この子に着せなさい。それから、手に指輪をはめさせ、足にくつをはかせなさい。そして肥えた子牛を引いて来てほふりなさい。食べて祝おうではないか。この息子は、死んでいたのが生き返り、いなくなっていたのが見つかったのだから。』そして彼らは祝宴を始めた…」。
 ここに出て来る息子は罪人を表わし、父親は神である救い主イエス・キリストを表わしています。罪人は生前贈与の金銭を放蕩に使い果たし困窮します。しかしその時彼は悔い改めて神の方向へ歩み始めました。神はその息子を憐れんで救い出し、すばらしい義の衣を着けて下さいました。そして彼の為に祝宴を始められたのです。放蕩息子はただ救われただけでなく、大いなる祝福も受けたのです。
 金銭のような頼りにならぬ物に賭けず、自ら走り寄り、抱きしめて下さる神に頼るようになったら幸いです。