ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

ハーマン・ケインとセクシュアルハラスメント疑惑

 米国共和党時期大統領候補選で名乗りを挙げていた共和党のハーマン・ケイン氏が、11月8日立候補を断念するという声明を出しました。
 氏は共和党複数の候補者のうち、唯一のアフリカ系黒人です。アメリカン・ドリーム時代にいろいろ苦労してピザチェーン店を立ち上げ、相当な実績を上げており、最高責任者(CEO)にもなっているという経歴からしても、富裕な人である事が分かります。一時は共和党支持の「茶会運動」派からも熱心な支援を受けていたそうで、教会も「バプテスト系」なのだそうです。
 しかしそうした情報を得ながらよくよく考えて見ますと、どうも氏の信仰に疑問符がつきます。
 まず第一に氏はアメリカ経済立て直しの為に、9−9−9プランというものを提唱しました。それは連邦所得税法人税、消費税を全て9%にする案でした。しかし富裕な信仰者なら「世の富を持ちながら、兄弟が困っているのを見ても、あわれみの心を閉ざすような者に、どうして神の愛がとどまっているでしょう」(ヨハネ第一3:17)とあるように、神の命じられるトリクルダウン政策こそ氏の持ち味である筈なのに、それを実行していないようです(共和党の立場ならその蓋然性は高いと言って良いでしょう)。民主党なら「占拠せよ」運動の99パーセント貧困層の事を理解し、支持もしている人々がいます。
 第二にこれが氏の政治活動続行に致命的なダメージを与えた問題ですが、セクハラ・不倫疑惑が急浮上した事です。実はこれに関していろいろサイトを調べてみたのですが、正直言って真偽のほどは分かりません。証言している女性だって、もしかすると共和党白人主義者たちが、氏を追い落とす為に遣わした「刺客」かも知れません。
 12月5日のタイム誌電子版(英文)によれば、氏はこうした疑惑を全て否定し、祈り抜いた結果「自分の神との平和を得ているし、妻との平和も得ている。そして妻も私に対してはそうなのだ」と言っています。ですから私としては氏の信仰に疑問を抱きながらも、それを否定するような「裁き」はしません。
 というのも聖書から見れば、あのイスラエルの父祖にして偉大な信仰者であったアブラハムでさえ、ゲラルの王アビメレクを恐れ、愛妻サラを王に渡すというトンデモナイ事をしたからです。
 「アブラハムは、自分の妻サラのことを、『これは私の妹です。』と言ったので、ゲラルの王アビメレクは、使いをやって、サラを召し入れた」(創世20:2)。
 実はサラはアブラハムの異母妹でもあったので、彼の言った事の半分は真実でした。彼の言葉をまともに受けたアビメレクとしては、早速サラとの「不倫行為」に及ぼうとしたわけですが、その危機に介入されたのは、何と彼の信仰の対象である「神」でした。
 「神は夢の中で、彼に仰せられた。『そうだ。あなたが正しい心でこの事をしたのを、わたし自身よく知っていた。それでわたしも、あなたがわたしに罪を犯さないようにしたのだ。それゆえ、わたしは、あなたが彼女に触れることを許さなかったのだ。今、あの人の妻を返していのちを得なさい。あの人は預言者であって、あなたのために祈ってくれよう。しかし、あなたが返さなければ、あなたも、あなたに属するすべての者も、必ず死ぬことをわきまえなさい』」(創世20:6−7)。
 なぜ神はアブラハムのこの汚点をあらわにされたのでしょうか。それはこの世の信仰者を含む全ての人がアダム以来の「原罪」を負っており、すきあらばいつでも「罪を犯し得る」事を啓示する為です。そしてアビメレクのような信仰のない人の場合、その罪を犯した結果は「死」である事を警告する為でもありました。ただ彼は神のご忠告に従って、サラとの不倫行為に及ばなかった為、憐れみを受けたというわけです。
 翻ってハーマン・ケインの事ですが、事業を展開している時の出来事だとされ、「神にも仕え、また富にも仕えるということはできません」(マタイ6:24)を踏まえ、常に祈り抜いて誘惑に打ち勝ち、共和党ライバルに「敵失」を与える隙を作らなかったのかどうかが問われる事になります。
 それは私たち信仰者に対する強い警告でもあります。弱い時にいつでも罪を犯し得るからです。絶えず祈る事が必要です。そして自己吟味を徹底的にして、「さばいてはいけません。さばかれないためです」(マタイ7:1)という事を実行していれば間違いないです。