ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

乳香を生み出すボスウェリア属樹木が絶滅に向かっている

 2011年12月21日のタイム雑誌電子版(英文)に「フランキンセンス(乳香):どうしていわれのあるクリスマスのプレゼントが消え去る方向に向かっているのか」といった題の記事がありました(http://ecocentric.blogs.time.com/2011/12/21/frankincensored-how-a-venerable-christmas-gift-could-be-headed-for-extinction/)。
 乳香は中東やアフリカのナイジェリア、エチオピアエリトリアなどに存在するカンラン科ボスウェリア属の樹木から採取される樹脂の事です。

 黄褐色の半透明な樹脂で、強い芳香性を持ち、薬効もあります。

 この記事はロイターサイトでも報じられていましたので、両者合わせて紹介します。ワシントン大学の研究チームは北エチオピアの村で詳しく観察した結果、ボスウェリア属の樹木は、農業の為の焼畑や、家畜の貪食、カミキリムシ科の昆虫による樹皮への卵の植え付けなどで減りつつあり、あと15年ほどで半減し、50年でほぼ絶滅状態になると予測しました。一般に非常に暑く乾燥した場所に育つ植物なので、新たな植樹といっても場所は限定されるでしょう。
 この樹木が消滅すれば、当然乳香も採取出来なくなる為、欧米の諸教会やモスク、墓地などでの利用が不可能となり、香水産業漢方薬の業界も危うくなるでしょう。古くから国際貿易の対象でしたから、深刻な問題となりそうです。
 この乳香、古代エジプトやオリエントでも登場しますが、何と言っても聖書のマタイ伝2章で東方の博士たちが、誕生した救い主イエス・キリストを礼拝する為ベツレヘムに向かう旅の時携えて来た事で有名です。
 「彼ら(*東方の博士たち)は王の言ったことを聞いて出かけた。すると、見よ、東方で見た星が彼らを先導し、ついに幼子のおられる所まで進んで行き、その上にとどまった…家に入ってみると、幼子は母マリアと共におられた。彼らはひれ伏して幼子を拝み、宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬を贈り物として献げた」(マタイ2:9,11)。

 ここで博士たちが持参したプレゼントには予示としての意味があります。「黄金」は「ユダヤ人の王イエス・キリスト」の象徴、「乳香」は持参した人が祭司に渡し、祭司がそれを焚いて良き香りとして天の神に捧げた事から(レビ2:1,2)、十字架で神へのなだめのささげ物となられたイエス・キリストの象徴、「没薬」は死者の保存の為身体に塗られる物である事から、イエス・キリストの死の象徴となっています。特に「乳香」は神と罪人との執り成し役としてのキリストを表わしていますから大切です。その方無くして私たちは救われませんから。ですから極めて良い香りのする乳香が選ばれました。その主要な成分はα-ピネンというものだそうです。

 いずれにせよこのクリスマス、イエス・キリストの御降誕という計り知れない祝い事を讃えられたら幸いです。サンタクロスや単なる豪華な晩餐だけで過ごしたらもったいないです。