米原子力規制委員会のヤッコ委員長を守りましょう
2011年12月15日の朝日新聞には、ほんの僅かな記事ですが「米原子力規制委で対立」という題の記事がありました。
この「原子力規制委員会委員5人のうち4人がヤッコ委員長の運営手法を告発する書簡を大統領府に送り、米議会が14日、調査に乗り出した。東京電力福島第一原発事故を受けた対策方針の違いが背景と見られる」と書かれています。画像はhttp://www.eenews.net/public/climatewire/2011/12/13/1から借用。
グレゴリー・ヤッコ氏はネット情報によれば、早くから福島原発事故についてその厳しい情勢を見据えた発言をしています。「現場上空の放射能の数値は、非常に高いレベルで上昇しており、現場で人間が正確な数値を測定するのは不可能になるだろう」(3月16日)、「原発危機の脅威は日本政府の認識よりもはるかに暗澹としたものだ。米国人には、日本政府が発表している距離よりも、さらに遠くに避難するようにと忠告した。特に4号機のプールにはほとんど、もしくは全く水がない状態であり、そこで露出されたままになっている燃料棒から、放射能が外に放出されている可能性が高い」(3月16日)等々です。ヤッコ氏は米国が福島原発の4つの原子炉を監視している事を明示し、オバマ大統領に対していち早く半径およそ80キロ以内の在日米国市民を避難させるよう勧告した事で知られています。実情を知らされていなかった日本のほうが驚いた程です。
さらにヤッコ氏は米国内での原発についても「日本の原発事故からできるだけ多くの教訓を学び取り」「必要な見直しを行う事」を大統領に進言して来ました。ですから米国の原発に対して非常に厳しい姿勢を一貫して保ち、原発推進派からは疎んじられています。
ところでこの原子力規制委員会の構成員5名については、上院の承認を得て大統領が指名します。現在のメンバーは米原子力規制委員会サイトから閲覧する事が出来ます(http://www.nrc.gov/about-nrc/organization/commfuncdesc.html)。ヤッコ委員長は民主党所属ですが、他の委員は共和党所属が1人いる他不明です。しかし経歴を見ると原発推進派と見られます。なぜなら今回の紛糾のもとになったウイリアム・ボルハルト専務理事の更迭に関して、少なくも3人の委員が反対したからです。ヤッコ委員長は福島原発事故を受けて、米原子力規制委員会の現状を変えようと提案したのに、ボルハルト氏が性急だと反対したのです。それに原発推進派の共和党と、慎重派の民主党が乗って、ヤッコ氏解任劇が展開されているというわけです(http://www.eenews.net/public/climatewire/2011/12/13/1に事の顛末が詳しく載っています)。
私は日本の現状を考えた時、時間と共に政府も原発推進派も次第に力を盛り返し、悲願の「廃止」を覆そうとしているように見ています。それに米原子力規制委員会まで現状で行こうとする動きがあるので、ここはヤッコ委員長に頑張ってもらわないといけないと切に思っています。
こうした「重大な」事態で対立がありながらも、指導者の提言で危機を乗り切った例は聖書にもあります。使徒15章のエルサレム会議です。問題はユダヤ人は勿論の事、異邦人の人々も救われる為に「割礼」が必要であるかどうかを巡っての事でした。
「しかし、パリサイ派の者で信者になった人々が立ち上がり、『異邦人にも割礼を受けさせ、また、モーセの律法を守ることを命じるべきである。』と言った。そこで使徒たちと長老たちは、この問題を検討するために集まった。激しい論争があって後、ペテロが立ち上がって言った…」(使徒15:5−7)。
この会議での激しい論争に終止符を打ったのが、かつて主イエス・キリストを拒みながらも悔い改め、聖霊の力を頂いた初代エルサレム教会の指導者ペテロでした。それには主イエスの兄弟ヤコブも援護射撃をしています。
これによって私たち「異邦人」も割礼によらず、ただ信仰によってのみ救われるという事実が確定し、今日に至ったわけです。