ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

ロンボク島「黄金熱」による水銀汚染で失楽園に

 2011年12月31日のオーストラリアン誌電子版に、「破壊的な黄金熱が観光産業から輝きを奪っている」といった題の記事がありました。
 舞台となっているのはロンボク島インドネシアの中部、有名なバリ島の東隣にあります。

 この島の南西部にスコトン半島があります。なだらかな丘が続き、原始のままの白い砂のビーチはサンゴ礁が広がり、本当に澄んでいて綺麗なようです。サーフィンなども盛んに行なわれています。まさに聖書の始めに出て来るエデンの園のようでした。
 そこに持ち上がったのが、小規模ではありますが、金鉱の採掘でした。それも毒性の処理法によるものでした。即ち金鉱石から金を抽出する為に水銀を使うという方法です。http://www.nimd.go.jp/kenkyu/review/h15_mercury_analysis_review.pdfによりますと、発展途上国における一般的な抽出法は、金鉱石を砕いた後の粉末を絨毯を敷いた流し樋の上に置き、水で落下させます。その作業で絨毯に溜まった金を取り出し、水銀を加えてアマルガム(水銀と他の金属との合金)を形成します。それを綿布で絞って水銀を取り除く事になりますが、その際土壌や河川などに水銀が流れ出し、そこを汚染します。さらに徹底的に水銀を取り除く為に、ブンゼンバーナーで焼いて水銀を空気中に蒸散させます。それでまた大気を汚染し、バーナーを使う人々は高濃度の水銀を吸い込み中毒を起こすわけです。
 この水銀汚染の悲惨な例は魚を食べた水俣の漁師たちの中毒発生で、はなはだ有名になっています。他にも神経を犯し、熱や震えを引き起こします。そのように水銀汚染は怖いものです。金採鉱時の事故で亡くなる人も多くいます。
 ロンボク島では2008年からのゴールド・ラッシュ(埋蔵量1395トンと言われています)で、急激に河川が汚れ、その水が海に流れ込んでいます。
 勿論当局は取り締まりを強化していますが、あまり功を奏していないようです。採掘者たち(およそ6千人)の抵抗が激しいからです。
 彼らは水銀を吸い込むのを気にかけていません。金獲得のほうが重大事だからです。1グラムにつきおよそ50ドルにもなるからです。皆農業や漁業を捨ててそちらの方に目が行ってしまいます。大切ないのちの問題なのに。或る女性の環境関係技術者は、世界保険機構の基準を遙かに超えた水銀がスコトン半島の水や魚に蓄積していると警告しています。でも悪い事にインドネシアではこうした水銀やシアンの使用を禁じる法がない為、お店やウエブサイトで自由に売られています。
 今やその美しい自然を売り物にしていた観光産業はその輝きを失い、採掘地の面積がどんどん広がっています。採掘業者たちに言わせると、それは自分たちの「神」による権利だとの事です。ロンボク島失楽園になってしまいました。
 こういう記事を見ますと、人間がいかに罪深く、真の神から離れ「金」又は「金儲け」を偶像にしてしまっているかが分かります。いのちより金の方が大事だというのです。最初の人々アダムとエバは、神のご命令に反して罪を犯し、エデンの園を追われました。
 「そこで神である主は、人をエデンの園から追い出されたので、人は自分がそこから取り出された土を耕すようになった」(創世3:23)。
 神はエデンの園での罪汚れの存在を一切赦しませんから、二人をそこから追放しました。
 「金銭を愛することが、あらゆる悪の根だからです」(テモテ第一6:10)。お金は必要ですが、度を超えたそれへの崇敬が罪となります。それなのに世界の多くの人々が神を第一とした生活をせず、金を用いて目にみえるきらびやかな物質をひたすら追い求めています。