ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

宮沢賢治の『セロ弾きのゴーシュ』におけるたった一つの瑕疵

 BARinさん(http://d.hatena.ne.jp/BARin/)が私の音楽療法による癒しのブログで、宮沢賢治の上記の本も究極的にはそれと繋がるというご指摘をされたので、早速『風の又三郎』や『セロ弾きのゴーシュ』など、久し振りに再読してみました。やはり大人になってからの読み直しでは、幾つかの新しい発見があります。勿論その短編集は子どもの童話として語り継がれて行くべきでしょうが、『セロ弾きのゴーシュ』ではたった一箇所「瑕疵」を見つけました。
 キリストも、例えばペルガモの教会の良いところを誉めた上で、「しかし、あなたには少しばかり非難すべきことがある」(黙示2:14)と言っています。それに倣うのは恐れ多い事ですが。
 ではそれは何か?「たばこ」です。練習が終わり楽団員たちは「くわえタバコ」で去って行きますが、その慣習はゴーシュでも同じです。

 ゴーシュはセロ=チェロが上手に弾けず、楽長から何度も叱られて相当ストレスが溜まっています。そして家に戻って猛練習をするわけですが、そこに入れ代わり立ち代り動物たちが登場します。三毛猫、鳥、狸、野鼠。その動物たちによりゴーシュのストレスは解消され、最後に楽長から褒められアンコールを求められました。彼は立派に弾きこなし、その楽長や楽団員から大いに見直されました。ゴーシュは家に帰ってから、動物たちにつれない仕打ちを詫び、感謝した事でしょう。めでたしめでたしでした。
 しかし最初に出て来た三毛猫に対して、ゴーシュはくわえタバコで、何と猫の舌を用いてマッチを擦ったのです。虐待もよいところでした。
 このたばこ、短編集では私が気づいた限りでは「オツベルと象」のオツベルだけでした。
 2012年1月23日、厚生労働省は「喫煙4割減目標」(ガン対策の基本として)を目指し、その具体的な計画案を発表しました。この案は数値を明確に示す事で喫煙者を大幅に減らし、ガン対策に役立てたいという意図があり、省ではやる気満々です。農林水産省財務省はどう抵抗するでしょうか。
 朝日報道では、日本の成人の喫煙率は2009年の統計で38・2パーセントと高いです。これを世界と比較してみると、経済協力開発機構OECD)加盟国(34カ国)中、8番目に高いそうです。女性もグラフでは上昇傾向で11パーセントにもなっています。
 また朝日では5日後の記事で、東大・阪大などの分析(2007年)によると、たばこで死亡年12万9000人とありました。それが原因で、肺がん、食道がん心筋梗塞などを引き起こし死亡に至るという因果関係を、対照群とつき合わせながら計算で割り出したものです。研究チームは「日本が長寿国の座を維持するには、まず強力で効果的な禁煙対策が必要」と、こちらもやる気満々です。
 なぜ「たばこ」(くわえたばこ)は駄目なのでしょうか?その害毒が吸っている本人だけでなく、他人や環境に及ぼすからです。喫煙者はそういう心の邪悪さを意識せず、「自業自得だから」と主張しますが全くの誤りです。その人は神の律法に背を向けている罪人です。そこから回心しない限りは、次の事が実行出来ません。
 「だれでも、自分の利益を求めないで、他人の利益を心がけなさい」(コリント第一10:24)。

 その事を忖度し、悔い改めて神に向かう人は幸いです。嗜好品だったたばこを諦めた悲しみは、神が豊かに慰めて下さいます。
 「悲しむ者は幸いです。その人は慰められるからです」(マタイ5:4)。
 宮沢賢治はこの優れた作品が子どもたちに読まれ、たばこの出てくる場面でかなり影響を受けるという事を意識していたでしょうか?