ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

休眠口座の活用

 2012年2月15日政府は、銀行、信用組合、信用金庫などの金融機関に口座を作り預金をしながら、その後全くお金の出し入れがなく、10年以上経過して、尚且つその口座作成者との連絡が取れない「休眠口座」を活用出来ないかと、検討を始めました。

 なぜそういう事が生じるのかと言えば、口座作成者が適切な手続きをせず遠くへ引っ越してしまったとか、あまりに少ないお金しか残っておらず、利息も期待出来ないような口座の事をうっかり忘れてしまったとか、口座作成者が死亡し、家族などがその口座の事を知らなかったとかいう事が起こるからです。
 政府がそんな事を検討し始めた背景には、東日本大震災復興の為の財源が乏しい中、被災地の多くの事業所や工場が困窮している実情があったからです。
 その額は1年間で実に1300万口座、850億円にものぼるそうです。
 但しこの国による活用について、私的金融機関は「国が個人の預金を使うのは問題」と反発しているそうです。具体的に見ますと、その850億のうち、預金者や遺族が気づいて払い戻しを請求する事例が350億円、差し引き500億円が銀行のものになり、税を差し引くと、年間300億円規模の資金が活用出来るそうです。しかし3月10日の朝日新聞によると、金融機関ではその口座管理などで結構お金がかさみ、儲けにはならないと主張しており、そんなものかと思いました。
 ですからこの検討会は難航しそうで、課題が多過ぎ、実際の活用までは至らなくなる可能性もありそうです。
 私としては銀行に埋没し「錆付いている」お金をいろいろな支援で活用出来れば、大いに結構ではないかと思っています。その為に法改正が必要なら、やってみたらという思いでいます。
 なぜか?聖書でもそうした例が載っているからです。マタイ25にこんな話があります。救い主イエス・キリストは十字架の死・埋葬・甦りの後、今天の父なる神の右の座におられます。そしていつか再臨されるわけですが、それまでの間しもべたちに財産を託し、その活用を命じられました。3人のしもべが登場します。主人(*キリスト)は、1人には5タラント(*重量単位ですが、銀貨に換算すると1タラントはおよそ24万円、5タラントでは120万円くらい)、もう1人には2タラント、さらにもう1人には1タラントを預けられました。この場合タラントはタレント(=才能)の事でもありますから、タラントの違いは、個々人の才能(賜物)の違いと読み替えて良いでしょう。ですからここはお金の活用、又は持てる才能の活用、どちらでも良いと思います。
 それで5タラント委ねられた人は商売をしてさらに5タラントを儲けました。2タラントの人も同様にしてさらに2タラントを儲けました。しかし1タラントの人はそれを活用せず、何と土を掘ってそこに埋めてしまいました。
 その後主人が戻って来る(*再臨)のですが、5タラントの人も、2タラントの人も、忠実なしもべとして褒めて喜びを共にしました。しかし1タラントの人には厳しい対処をしました。曰く「おまえはその私の金を、銀行に預けておくべきだった。そうすれば私は帰って来たときに、利息がついて返してもらえたのだ」(マタイ25:27)。ここで銀行とは当時の両替商の事で、低い利率で他人の金を預かり、高い利率で貸し出しをして設けていた人です。
 そのように自ら1タラントを活用出来ず、土に埋めておいた怠惰なしもべに対し、主人は銀行に預ければ利息が付いて返却出来たはずだと叱責したのです。そしてそのしもべを主人の交わりから追放しました。そのしもべは外の暗闇で泣いて歯ぎしりします。
 ですから政府が目をつけた休眠口座はいわば土に埋められ活用されていなかった1タラントを意味します。それを企業の為、社会の為に活用しようというのであれば、きっとこの主人のように褒められ、企業などから喜ばれる事でしょう。それを拒む銀行はまさにこの1タラントのしもべのようです。