ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

糖尿病以外で足切断の危機のある病気

 2012年4月3日から朝日新聞生活欄の「患者を生きる」シリーズでは、「血管の病気 重症下肢虚血」の方の事例が紹介されています。土曜日で5回目、まだ続きますが、概要は分かりました。
 足の指先に十分な血が通わなくなったり、知覚が鈍くなって、些細な傷が生じても気づかず壊疽を起こすのは、まず糖尿病合併症の場合でしょう。私も「糖尿病もどき」があって、毎年冬場では左足の小指あたりが冷えてずきずき痛み、十分に気をつけています。血糖値が合併症を併発しない範囲で制御していますが、この「静かな病気」は、れっきとした糖尿病で血糖値の高い人の場合、案外気づかず手遅れにしています。特に神経障害による知覚異常が出る為、足の末端の痛覚などが失われ、見落としているうちに壊疽が生じ、下手をすると足を切断という事が起きてしまうのです。私のマンションの友人はその一人で、手足がしょっちゅうしびれ、靴を履いて外出した時など、戻った時脱ぎ忘れて居間に上がっている事が頻繁にあるそうです。左の図は糖尿病による壊疽。ネットから拝借。

 朝日の連載では三重県津市の患者さんの事が報じられていますが、この方は糖尿病ではなく、若い時の慢性腎炎で透析を受け、30年以上経過してから突然左足の小指が壊死してしまいました。原因は食事で取り込んだリンが、体内のカルシウムと結合して血管内に沈着し、血流を妨げていたからでした。これが重症下肢虚血で、私も初めて聞いた言葉です。そしてそれは一つの指を切断しても予後が悪く、次々に別の指に広がるという事ですから、通常細菌感染による死を阻止する為、膝下でもかなり上のほうで切断しなければならないそうです。
 でもこの患者さんの場合は諦めずに、血管内にカテーテルを挿入する治療法を行なっている病院を見つけ、早速その手術を受けました。ところがリンとカルシウムが結合したリン酸カルシウムによる石灰化が予想以上に進行しており、カテーテル先端の風船が膨らみませんでした。そこで受けたのが、ロータブレーター療法というもので、リン酸カルシウムをドリルで削り血管を広げる方法です。最初の病院ではこれで限界、転院したところでは高圧酸素療法というものが行なわれており、血流が足らない足先に多くの酸素を送りこんで、傷の修復を促すというやり方でした。患者さんはそれに加え薬のスプレーや、自己の皮膚移植手術など細かい治療を受け、やっと傷が治り、リハビリというところまで漕ぎつけたのでした。
 こうした治療法は医学が進んだ現在でないと、とても出来なかったでしょう。ごく最近まで足指壊死、細菌感染、切断、そして死という帰結になっていたのではないでしょうか。
 聖書にも足の指切断の記事があります。士師記にあります。カナンの地で奮闘したヨシュアに代わって指揮官となったユダは、カナン人らと戦いました。ベゼクという地を治めていたアドニ・ベゼクは、劣勢となった戦況で遁走しましたが、ユダを先頭に追跡したイスラエル人に捕らえられ、手足の親指を切断されてしまいました。その地の70人の王たちの手足の親指を切り、奴隷として使っていた事への報いでした。
 「ところが、アドニ・ベゼクが逃げたので、彼らはあとを追って彼を捕え、その手足の親指を切り取った」(士師1:6)。
 彼は捕われてエルサレムまで連れて行かれましたが、そこで死んだとあります。簡単な記事ですが、やはりこうした親指を切られるという事は、当時の治療が不可能な環境では、壊疽の放置で敗血症を起こし、死に至ったものと思われます。
 イエス・キリストは霊的な問題に言及しておられます(マタイ5:29−30)。こうしたからだの一部の壊疽は「罪」に譬えられますが、それを思い切って切り取る、つまり神による荒療治を受けない限り、その罪は全身に広がり霊的知覚障害で永遠の死に至りますが、その治療を受けた人は、世の規準でいかに劣勢であろうと、永遠のいのちを賜物として獲得します。