ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

震災被害者を食い物にする悪質業者

 2012年4月12日の朝日新聞では、「震災悪質商法3万件」という題で、被災地における様々なトラブルが増加している事を報じていました。
 3万件というのは、実際には33,499件で、全国の消費者センターに寄せられた被害報告です。それは特に被害の大きかった岩手、宮城、福島、茨城に限らず、首都圏にまで広がっており、被害金額は比較的富裕層の多く、被害の少なかった首都圏のほうが多くなっています。

 復興が大幅に遅れ、財産を失って自宅再建もままならない状況で、投資を勧められたり、必須の「放射能測定器」購入を勧められたりして、なけなしのお金をはたいて、騙されてしまう事例が新聞に載っていました。
 霊感商法おれおれ詐欺でもそうですが、巧妙な業者の手口に乗ってしまう人々が後を絶たないのは、はなはだ残念な事です。泣きっ面に蜂です。弁護士などを介して、貴重なお金を取り戻せた人々は幸いですが、そうならなかった人々はますます貧困化してしまうのではないかと危惧しています。画像左は警察庁のポスターからお借りしました。
 こうした卑怯なやり方を考案する者たちは、その心のうちにある罪によるものです。「内側から、すなわち、人の心から出て来るものは、悪い考え…盗み…欺き…」(マルコ7:21)とあり、罪が普遍的である以上、いつの時代でも起こる得る事です。
 それにしてもトラブル内容で被害額が突出しているのが、震災で壊れた屋根などの修繕工事に絡むものであるのは分かりますが、二番目に多いのが「社債」、三番目は「未公開株」と、金融関係が多いのはどうした事でしょうか。これらは私たち素人が手をつけてはならないものと警告されているのに…。濡れ手に粟なんて今ほとんど考えられないわけですから、心の弱っている震災被害者は特に警戒しなければならないでしょう。
 聖書にもこうした弱者を食い物にする者たちが登場します。
 「忌わしいものだ。偽善の律法学者、パリサイ人たち。あなたがたは、やもめたちの家を食いつぶしていながら、見えのために長い祈りをするからです。ですから、あなたがたは、人一倍ひどい罰を受けます」(マタイ23:14)。
 やもめは夫と子どもを全て失った人ですから、当時社会的には弱者でした。一方律法学者やパリサイ人はユダヤの支配階級でしたが、はなはだ堕落して貪欲になっており、こうしたやもめから生活必需品や土地まで、狡猾な手口で奪っていました。ですからイエス・キリストは、彼らの事を忌まわしい者たち(ギリシャ語ウウアイは悲しみと非難を表わす間投詞)と呼ばれました。何だか被災地の困っている人々より、自分たちの権益を守ろうとする政治屋や悪徳官僚たちに似ていますね。