ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

オバマ大統領不法移民の一部だけ容認

 2012年6月18日の朝日新聞には、「オバマ氏、不法移民策の緩和を発表」という見出しの記事がありました。
 米国ではヒスパニック系の人々の占める割合がおよそ16パーセントあるそうです。
 ヒスパニック系米国人とは、ウイキペディアによると、隣国メキシコを始め、プエルトリコキューバなど中南米スペイン語圏諸国から米国に渡って来た移民とその子孫を指し、2007年度の統計ではドイツ系米国人、米国黒人の人口を抜いてトップだそうです。朝日新聞報道ではこの20年間に倍以上に増えたそうです。
 しかしその中に不法移民も相当いて、アリゾナ州などは不法移民取締法を成立させ、躍起になってその人々を国外撤去させています。昨年度の統計では米国全体でおよそ40万人近くが強制退去されました。
 ちなみに米国民の大多数がこのアリゾナ州の措置を歓迎しているそうです。かつては米国民自身、宗教改革期に英国を逃れてこの大陸に移住して来た移民であるのに、今彼らはこのヒスパニック系不法移民に対して、極めて不寛容です。
 ところが6月15日にオバマ大統領は、不法移民の一部を国外撤去の対象外とする政策を発表しました。これは16歳前に入国し現在30歳未満の若者で、5年以上米国に滞在している人々が対象です。しかも彼らは現在学生であるか高校を卒業しており、犯罪歴がない事が条件だそうで、米軍や沿岸警備隊の勤務経験もある人は勿論大丈夫です。対象者は国外退去処分が2年間免除され、就労許可の申請も可能になるとしています。

 大統領は「不法移民でありながら、軍に入って国を守っている若者を知っている。このような若者たちを使い捨てることがあってはならない」と述べたようです。
 しかしその背景には11月の大統領選挙に向けて、上記16パーセントを占めるヒスパニック系米国人の票を取り込もうとする狙いがあるようです。
 ですからそれは一時的な措置で、「市民権に道を開くわけでも恒久的な制度改革でもない」という事になります。
 既にオバマ大統領は2008年に「親に連れられて入国した高学歴の若い不法移民に永住権を与える移民改革法」を、連邦議会に提出したそうですが、共和党の反対で成立の見通しが立っていません。
 確かに不法に米国入国を行なおうとするのは良くありません。しかし聖書を見ると、次のようなみことばがあります。
 「在留異国人を苦しめてはならない。しいたげてはならない。あなたがたも、かつてはエジプトの国で、在留異国人であったからである」(出エジプト22:21)。 エジプトの地に移民したヤコブイスラエル)の子孫たちは、ヨセフ亡き後そこで苦しめられ、虐げられていましたが、神はモーセを指導者にそこを出て約束地カナンに移住するよう命じられました。そして出エジプト20章で有名な十戒を授け、その後に続く一連の法の中で述べられたものです。在留異国人=ゲールとは、外国人、短期滞在者という意味です。
 イスラエルにそうした経験があった為、主なる神はカナンの地入国に先立ってこの掟を出し、同じように彼らと共について来た外国人を苦しめ、虐げてはならないと戒められたのでした。
 こうした事例はまさに現在の米国でも当て嵌まるのに、米国人はヒスパニック系米国人の不法入国若者を、国外撤去させようとしています。保守派クリスチャンの多い共和党の議員でさえ、先頭に立ってそれを支持しています。
 私はこの米国人のクリスチャンと称する人々のバランスを欠いた思考に強い違和感を持っています。