ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

ベトナム戦争でナパーム弾攻撃により裸で逃げた少女

 1970年頃、大学の全共闘運動と共にべ兵連の活動にも関わっていた私は、1972年6月8日の新聞に釘付けになりました。

背景は黒煙でもうもうたる状況、その前を銃を構えた米兵が4人ほど、そしてカメラが構えている中心に素っ裸の少女が泣きながら逃げている写真です。
あと4人の男女が逃げていますが、彼らは皆服を着ています。どうしてこの少女だけが裸なのか、良く分かりませんでした。
2021年7月13日の朝日新聞には、この裸の少女が立派に成長し、何とかつての敵国だった米国の北隣カナダで、結婚し元気に住んでいる事を伝える記事がありました。キム・フックさんという方です。
なぜ裸だったのかという事も、この記事で氷解しました。彼女はこのナパーム弾で全身を焼かれていたのです。それで熱い、熱いと叫びながら、燃えている服を脱ぎ捨てたという事だったわけです。
そのひどいやけどですが、12年間に17回のおそらく皮膚移植手術だと思いますが、それを受けやっと元気になったそうです。勿論その傷跡は腕から背中にまで及んでいます。

 こういう解説がないと、あのソンミ村の大虐殺のように、後ろの米兵がサイゴン郊外の一角に人々を集め皆殺しにしようとしている光景にも見えました。
 ちなみにこの写真を撮った同じベトナム出身のニック・ウトさんは、ピュリツアー賞を受けました。この人も現在AP通信の米国ロサンゼルス支局に勤務しています。キム・フックさんとニック・ウトさんの笑顔が素敵です。

 なぜそうなのでしょうか?朝日によりますと、彼女は19歳の時聖書との劇的な出会いがあったからです。

 「『自分の隣人を愛し、自分の敵を憎め。』と言われたのを、あなたがたは聞いています。しかし、わたしはあなたがたに言います。自分の敵を愛し、迫害する者のために祈りなさい」(マタイ5:43−44)
 このみことばがキム・フックさんを全く変えました。かつての彼女は敵国である米国の兵士らを呪い、自分よりもっと苦しみを味わえば良いと思っていました。しかしキリストはその逆の事を教えています。「自分の敵を愛し、迫害する者のために祈りなさい」。これは本当に実行の難しいみことばです。しかしキリストはこれをご自分の弟子たちに説かれました。もし神の第三位格である聖霊に満たされたら、それが出来るし、その豊かな赦しは他人をも劇的に変えるのです。有名なところでは、米国のアーミッシュの人々が挙げられます。
 私はと言えば、敵の為に祈りはかろうじて出来るでしょうが、敵を愛するのは本当に難しいと思います。まして未信徒の方々が、そのみことばを実行するのはほとんど不可能かもしれません。
 また大切なのは、キム・フックさんがそれによって自由になれたという事です。敵対する相手を赦し、その人を愛すれば、憎しみと不寛容という罪の奴隷状態から解放され、その人は本当に自由にされるのです。これこそキリストに従う者たちの真の自由です!