ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

オバマを支えるクリントン

 2012年9月5日、クリントン元大統領が米民主党全国大会に久しぶりに登場し、48分の長い演説をして、オバマ大統領の再選を支持しました。
 オバマ氏は2009年1月20日に米国大統領に就任し、その活動を始めました。

 当時に遡ってみますと、オバマ氏が「私たちには出来る=イエス・ウイー・キャン」という言葉を多発していた事を思い出します。そしてオバマ氏は特に低所得者層の人々からの熱い期待を得て、活動を開始したのでした。
 その就任演説を見ますと、前任のブッシュの時から蔓延していた米国の病弊の数々を挙げて、その克服の為に尽力する事を誓っています。
 「私たちの貴重な財産、崇高な理想とは、あらゆる者は平等で、全ての人が自由で、誰もが最大限の幸福を追求する機会を与えられる権利をもっているのだという、あの神から与えられた約束のことです」というくだりは、なかなか格調高いものを感じさせます。そして「ありがとう。神の祝福がありますように。そして神がアメリカ合衆国を祝福くださいますように」という表現は、いかにもアメリカ的ではありました。
 しかしその後のオバマ大統領が歩んだのはイバラの道でした。昔の学者・パリサイ人といった偽善者集団にも似た白人保守層の手ごわい抵抗に会い、一番達成を願っていた医療保険改革法(通称「オバマケア」)が、連邦最高裁でやっと決定したのはこの6月28日の事でした。
 他にも就任演説で誓った事柄が、全く中途半端で終わってしまったのは何度もあります。この約4年間で失望した人々の数も相当になるでしょう。
 そこで対立する共和党は、オバマ大統領のこの4年間は一体何だったのかと非難しています。ロムニー大統領候補は「米国に失望と分断をもたらした」と仮借ありません。彼らは雇用創出についての共通点はあるものの、真っ先に成立したこの医療保険改革法の即廃止を掲げ、また財政赤字削減要求にもかかわらず、米国に手出しする国が決して現れないよう強い軍事力を維持すると、国防費の大幅な増額を求めています。

 というわけであと少しに迫った大統領選挙ですが、先に共和党の大会、そして5日の民主党全国大会に至ったわけです。そこで注目されたのが、上記した元大統領クリントン氏でした。彼はオバマ大統領の助っ人として大会に臨んだわけですが、PCでそのビデオを見ていて、とにかく流暢な演説だと思いました。オバマの場合、一語一語をかみしめるようにゆっくり話すのが普通で、私も聴いていて、わりによく理解出来ます。ところがクリントン氏は早口でジョークもうまく、私にはやや聴き取り難いところが多くありました。氏はほぼすべての時間をロムニー候補への真っ向からの批判に費やし、対抗意識をむき出しにした感じです。今後どう選挙合戦が繰り広げられるか楽しみではありますが、共和党が勝利すると日本には大変な事になるので(TPP、オスプレイその他で)、動向を見守りたいと思っています。

 聖書にも対照的な2人が登場します。モーセとアロンです。
 「モーセは『主』に申し上げた。『ああ主よ。私はことばの人ではありません。以前からそうでしたし、あなたがしもべに語られてからもそうです。私は口が重く、舌が重いのです。』『主』は彼に仰せられた。『だれが人に口をつけたのか。だれが口をきけなくし、耳を聞こえなくし、あるいは、目を開いたり、盲目にしたりするのか。それはこのわたし、『主』ではないか。さあ行け。わたしがあなたの口とともにあって、あなたの言うべきことを教えよう。』すると申し上げた。『ああ主よ。どうかほかの人を遣わしてください。』すると、『主』の怒りがモーセに向かって燃え上がり、こう仰せられた。『あなたの兄、レビ人アロンがいるではないか。わたしは彼がよく話すことを知っている。今、彼はあなたに会いに出て来ている。あなたに会えば、心から喜ぼう。あなたが彼に語り、その口にことばを置くなら、わたしはあなたの口とともにあり、彼の口とともにあって、あなたがたのなすべきことを教えよう』」(出エジプト4:10〜15)。
 モーセは口の重い人でしたが、兄アロンは流暢だったので、神は言い訳するモーセの代わりにアロンを会衆への代弁者として指定されました。大統領選までクリントンはアロンの役を果たせるでしょうか?