ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

両親の検査を用いて胎児のDNA青写真を作る

 2012年9月6日のニューヨークタイムズ電子版(http://topics.nytimes.com/topics/reference/timestopics/organizations/u/university_of_washington/index.htmlに、上記の題で論文の紹介がありました。米国ワシントン大学の研究チームによる研究結果です。
 それによりますと、研究者たちは初めて妊娠した母親の血液試料と父親の唾液の試料だけを用いて、実質的に胎児のほぼ全てのゲノムを決定しました。
 なぜそれが可能かと言いますと、妊婦の血漿中には、胎児由来のDNA断片と妊婦に由来するDNA断片が含まれていて、これらの無細胞DNAのうち、13%が胎児由来であるという事実があるからです。
 そしてゲノム解析により、数千もの遺伝子病が胎児段階で診断可能となりました。98パーセントを越える精度で分かるそうです。
 この時期の命を胎児( Fetus )と呼びます。この言葉は、ラテン語で"幼稚なもの" 、あるいは"子"という意味だそうです。
 これまでは妊婦の羊水穿刺か胎盤組織を採取しなければならなかった事を考えると、これは極めて簡単な方法です。
 例えばダウン症(体細胞の21番染色体が1本余分に存在し、計3本<トリソミー症>持つことによって発症する、先天性の疾患群)の発症については、これまで確率の問題だったそうですが、今回の新しい方法ではほぼ確実に診断が出来るようになりました。
 読売新聞社説では「出生前診断が広まっている背景には、晩婚化に伴い、先天疾患のリスクが高まる高齢出産が増えている現状がある。『赤ちゃんの障害の有無を知りたい』という妊婦の依頼を、医師はなかなか断れない実情もあるのだろう」とありました。同時に社説では妊婦の要望に応えて、「安易な妊娠中絶を助長する恐れがある」とも言っています。
 米国でこうした研究が盛んなのは、日本と異なる医療保険制度が存在し、障害を持った子供を産んだ場合。費用がずっしり重くなる事情などもあると思います。
 9月13日の朝日新聞には、この出生前診断が35歳以上を対象に、国内約10施設で臨床研究として始まるという事が書かれていました。この記事では妊婦は羊水検査を受ける事のようですが、上記したように100パーセント確実ではありません。そこで出産の時に悲喜こもごもな光景が生まれるそうです。
 ですから非常に難しい問題ではありますが、今回のワシントン大学の新検査法を含め、中絶の問題はさらに広がるでしょうから、聖書的観点からも大いなる議論が必要と思います。聖書では当然中絶は殺人と同じです。
 「それはあなたが私の内臓を造り、母の胎のうちで私を組み立てられたからです」(詩139:13)。
 神が母親の胎で胎児を組み立てられました。妊娠は神のみわざです。
 「見よ。子どもたちは『主』の賜物、胎の実は報酬である」(詩127:3)。
 もし出生前診断で胎児を堕胎させるなら、それは大きな罪で、主の御怒りは大きい事を覚悟しなければなりません。