ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

移民問題

 2012年9月20日のタイム誌電子版に、「もし富裕な国が移民に門戸を閉ざしたらどうなるか」といった題の記事がありました。世界経済フォーラムとタイム誌が共同で、オックスフォード大学のイアン・ゴールディン教授にインタヴューしたものを書き記しています。

 まず「私たちは移民に対する世界的な反発という苦悩の只中にいるのか」という自問から始まっています。厳しい経済危機、失業の増加、生活水準の低下に対応する形で移民に注意が集まり、こうした問題で移民を非難しているのは事実のようです。
 次にそうした事への明確な兆候はあるのかと自問してみると、特定の国で移民に対する暴力行為が発生し、政治的にも反移民政策の例があります。英国、スペイン、フランス、米国などが突出しています。
 そこで仮定の話に移ります。
 1実際門戸を閉ざすと、政府にはどんな事が起こるでしょうか?
 もし富裕な国が実際移民に対して門戸を閉ざしたら、国際飛行便が止まり、空港が閉ざされ、観光旅行もなくなり、結果的に国内総生産が急速に縮小されます。企業は社員を失い、経営能力が落ちます。不法な移民の数が逆に増えてしまうでしょう。
 2その衝撃を最も強く受けるのは誰でしょう?
 第一に合法な移民、第二に不法な移民、それに他の全ての人々です。農業、建設業、科学技術工業、旅行業等たくさんの企業が、移民の労働者に頼っているからです。病院も掃除婦や外科医が失われ、閉鎖に追い込まれるかもしれません。女性は乳母さんを失い、仕事に困るでしょう。
 3その広範な結末はどうなるのでしょうか?
 先進国の経済の競争力が弱体化します。移民は大きな活力の源泉となっているからです。米国だけ見ても、シリコンバレーで事業を始めたのは、移民たちです。アップル、グーグル、ヤフー、ペイパルといった企業が、そうした人々を中核に立ち上がりました。ノーベル賞受賞者も移民が多くなっています。
 4移民のいない社会はどう見えるでしょう。
 北朝鮮で生活しているようなものだと、筆者たちは言っています。
 5移民に対する反発を防ぐ最上の方法は何でしょう?
 まずは国際レベルでのしっかりした管理が必要です。
 次に指導者たちがもっと公正になる必要があります。移民が人々の仕事を奪い、諸々の利益を使い尽くし、景気回復の足を引っ張るといった見解を支持する証拠はありません。私たちはずっと遡れば、皆移民だったのです。米国はその最たるものです。
 そして最後にもし富裕な国が貧困に陥っている国々から多くの移民を受け入れ、労働人口が3パーセントだけ増加すれば、一つの試算として、世界が年間3560億ドル豊かになると言っています。カナダのトロントは50パーセント移民ですが、世界で最も住みよい町としてランク付けられています。
 聖書でも移民は頻繁に出て来ます。神の召命によるアブラハムのカルデヤのウルからカナンへの移住は典型的です。他の要因として艱難や飢饉、戦争による移民なども発生しています。
 天上の世界を望んでいる信仰者たちは地上では「旅人」「寄留者」などと呼ばれています。
 「これらの人々はみな、信仰の人々として死にました。約束のものを手に入れることはありませんでしたが、はるかにそれを見て喜び迎え、地上では旅人であり寄留者であることを告白していたのです」(へブル11:13)。
 こうした旅人、寄留者は基本的に「移民「移住民」と同じです。ピルグリム・ファーザーズという言葉がありますが、このヘブル書の寄留者は、英訳ではピルグリムズとなっています。
 福島原発周辺の若い人々は、禍の事故が全く収束しないので、これから移民として生活せざるを得ないでしょう。