ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

骨髄移植手術のノーベル賞受賞者トマス氏の死

 京大の山中伸弥教授が人工多能性幹細胞(iPS細胞)の研究でノーベル賞を受賞し、脚光を浴びている間に、米国ではエドワード・ドナル・トーマス氏が92歳で亡くなりました。
 私はこの人の名前を憶えていませんが、1920年生まれ、テキサス大学を経てハーヴァード大学で医学を修め、白血病の治療法として骨髄移植を開発し、1990年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。

 2012年10月20日のハフポストサイトで、その事が報じられていました。題は「E・ドナル・トーマス死亡:骨髄移植の父、92歳で死亡」です。
 それによりますと、トーマス氏の業績はがん治療で最も成功した話の中に入るそうです。骨髄移植とその姉妹関係に相当する血液幹細胞移植の治療法は、血液のがんでこれまでの生存率がほぼゼロの状態から、ほぼ90パーセントまで上昇するほどに改善されました。
 今年は世界中で6万の移植手術が行われる事になっているそうです。
 トーマス氏の友人は「アイデアを思い付き、それを現実のものとし、多くの生命に影響を及ぼした事を想像してみて下さい」と述べています。
 1956年トーマス氏は初めて人間の骨髄移植を行ないました。そして60〜70年代を通し、ずっとその事を追及し続けたそうです。その間医学界では懐疑的な態度をとっていました。
 トーマス氏らは患者の病んだ骨髄をほぼ致死的な量の放射線と化学療法で破壊し、その後健康な骨髄を移植して、血液のがんを治そうと努力したのでした。
 その方法は進められ、やがて白血病やリンパ腫で苦しむ多くの人々の為の標準的な治療法となったのでした。
 その友人は「彼は優秀で信じられないほど度量が広く、すぐ自分や周囲の人々からの称賛を外す人でした」と回顧しています。でもこの方法は当時優勢だった医学の主流に反する事でもあったので、静かで控えめながら「頑固に」研究を貫いた人でもありました。
 トーマス氏はまた『造血細胞移植』という参考書を書きましたが、それは今日その分野のバイブルとなっています。
 多くの研究者たちの反発を買いながらも、その意思を押し通し、多数の人々の命を救うという目標を達成したという点は、まさに救い主イエス・キリストを彷彿とさせます。
 「信仰の創始者であり、完成者であるイエスから目を離さないでいなさい。イエスは、ご自分の前に置かれた喜びのゆえに、はずかしめをものともせずに十字架を忍び、神の御座の右に着座されました」(へブル12:2)。
 キリストは福音伝道を貫き十字架にかかり、その仕事を全うしたので、三日後に甦り天に戻られました。結果として罪に苦しむ多くの人々のいのちを救い、天に召す事がお出来になるのです。
 トーマス氏の人柄も科学者としての模範を示したと言えるでしょう。何より血液のがんで苦しむ多くの人々の命を救う事になったのですから。