ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

クエンティン・マセイスの「徴税吏たち」

 2012年10月24日の朝日夕刊に上記の画家による「徴税吏たち」のカラー画像が載っていました。

 私はマセイスは初めてなので、早速ネットで調べて見ました。
 ウイキぺディアによりますと、マセイスは1465年に現在のベルギーのルーヴェンで生まれ、26歳の若さで画家としてのの地位を築いたようです。当初は宗教的な題材を描き、後にはルネサンスの有名な画家レオナルド・ダビンチに傾倒し、世俗画のほうへ重点を移したようです。1530年に65歳で病没しました。
 この「徴税吏たち」という作品は1501年以降のものだそうです。おそらくまだ宗教画、それも聖書から題材をとって描いていたと思われます。
 朝日の記者によると、この二人の人物のうち右側の男は、「下卑てゆがみ、一方で目つきは異様に鋭い。彼は税の取り立て人…」とあります。左側の男は出納を記帳する財務官と見られています。
 続けて「金属や布の質感、人物の肌など細部は精密で写実的」との解説がありました。絵画をじっと眺めていると、いかにもそのように写実性に富んでいる事が分かります。
 この税の取り立て人=取税人はマタイを思い起こさせます。彼はローマへ民からとった税金を納めていましたが、民からは大変嫌われていました。この絵画は彼の隣に財務官がいますが、聖書では財務官はおそらくローマ居住でしょう。彼は一人でいました。しかしその罪深い性質と孤立している彼を、イエス・キリストはよくご存じでした。そこでイエスは、彼を弟子として召されたのです。その彼がマタイ伝を書きました。
 「イエスは、そこを去って道を通りながら、収税所にすわっているマタイという人をご覧になって、『わたしについて来なさい』と言われた。すると彼は立ち上がって、イエスに従った」(マタイ9:9)。
 マセイスはまた「両替商とその妻」といった絵画も残しています。これは1514年の作品のようですが、右の妻は時祷書(=祈祷書)を開いていますが、その目は夫のそばに散っている硬貨に引き寄せられています。

 これは聖書において、「だれも、ふたりの主人に仕えることはできません。一方を憎んで他方を愛したり、一方を重んじて他方を軽んじたりするからです。あなたがたは、神にも仕え、また富にも仕えるということはできません」(マタイ6:24)を連想させます。

 さらに最も有名な絵画の一つとして「この人を見よ」があります。
 これはまさに十字架に架けられる直前のキリスト、ローマの兵士、群衆の一人、さらに左側にローマ総督ピラトを描いたものです。「十字架につけろ」と叫ぶ群衆の顔は醜悪ですが、ピラトはキリストの無罪を信じていたので、顔は穏やかです。キリストは縛られ、頭にはイバラの冠が被せられています。目をつぶっていますが、おそらく何もわかっていない人々の為に執り成しの祈りをしておられたのではないかと思います。「父よ。彼らをお赦しください。彼らは何をしているのか自分でわからないのです」(ルカ23:34)。なお「この人を見よ」は最も有名な賛美歌の一つです。
http://www.youtube.com/watch?v=9MhbwUl7kHQ&feature=related