ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

軍事用核廃棄物への新たな取り組み

 2012年11月6日のニューヨークタイムズhttp://green.blogs.nytimes.com/2012/11/06/a-new-approach-to-military-nuclear-waste/)に上記の題の記事がありました。
 私たちは現在軍事用でない核廃棄物への取り組みに注意が向いていますが、軍事用に使用されている核の廃棄物では、どんな事がされているのでしょうか?
 記者は核兵器の製造で出た残余のものは最も始末が悪いようだと言っています。民間の廃棄物と異なり、軍事用の廃棄物は液体とへどろから成っており、環境に敏感な地域の地下タンクに貯蔵されています。たくさんのタンクから各廃棄物が漏れて土の中に浸透しています。でもそれらをどう再利用するするのかについては論争はありません。既に下記のサバンナ川工場で解決済みだそうです。
 目標はそれらをガラスと混ぜて固化する事です。つまりガラス固化という作業です。最終的に貯蔵所の中に埋められる為です。
 1989年、エネルギー省は環境保護庁とワシントン州の間で同意書に署名し、コロンビア川のハンフォード核保留地で、その固化作業を始める予定でしたが、1999年になってもまだ最終期限が書き換えられただけです。ハンフォードでは技術的な問題が残っており(*タンクは通常の炭素鋼ですが、核廃棄物は強い酸性でそれに耐えられない等々)、さらに建設費用が当初より2倍以上に増え、操業費用を除き120億ドル、残った4割の作業に必要だとの事です。ですからそれらに鑑みて、2019年に操業開始が見積もられています。

 それで1996年エネルギー省は、サウスカロライナ州のサバンナ川核保留地に工場を開設しました。化学会社デュポンが建設し、操業がされていますが、廃液は容易に扱えると言っています。水爆製造に必要なトリチウムプルトニウムといった物質は、再処理工程等で既に回収、残った高レベル廃液がタンクに貯蔵され、少しずつガラス固化体にされているようです。http://www.chugoku-np.co.jp/abom/nuclear_age/us/020331.htmlによりますと、「タンクの廃液をすべてガラス固化すると約六千本。まだ二十年から二十五年はかかる」そうです。ここでは廃棄物は廃液=防衛廃棄物と呼ばれています。
 カリフォルニア州アーヴァインのキュリオン社(福島原発の汚染水処理で活躍?)によるガラス固化作業も大幅に遅れ、そのホームページ(http://www.kurion.com/newsroom/press-releases/kurion-opens-new-modular-vitrification-system-test-facility)では、新しい組み立て式ガラス固化体実験工場を、この10月11日に開始したばかりです。この固化体作業では、廃棄物とガラスが巨大な電極による電流により溶融する事になっています。しかし電極は最終的には摩耗してしまいますから、その維持作業は高い放射能の為に人手では不可能で、遠隔操作が必要になり、キュリオンの技術部門トップは、そこがまさに問題だと言っています。ですから現在キュリオンは誘導加熱法(=電磁誘導の原理を利用して電流を流して、発熱させる事)を利用してという事を考えています。タンクの廃棄物やタンク漏れで汚染された土壌の為に役立ちそうだとの事です。

 ガラス固化作業の最終局面で、溶融したガラスが溶接で閉ざされたステンレス鋼の容器で冷やされますが、そこでどんな事が起こるかは未解決の問題です。
 連邦政府はいまだネバダ州ユッカ山での貯蔵所建設が棚上げされてから代替地を提案出来ず、選択の為の適切な方法さえ持ち合わせていません。軍事用核廃棄物処理も現在お手上げです。
 それゆえ上記題の「新たな取り組み」は実質的にはまだまだです。 
 このような有様ですから、以下の聖書箇所が適用出来ます。
 「人の心には多くの計画がある。しかし【主】のはかりごとだけが成る」(箴言19:21)。
 「【主】の憎むものが六つある。いや、主ご自身の忌みきらうものが七つある。高ぶる目、偽りの舌、罪のない者の血を流す手、邪悪な計画を細工する心、悪へ走るに速い足、まやかしを吹聴する偽りの証人、兄弟の間に争いをひき起こす者」(箴言6:16−19)。