ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

ジョージ=レイコフ氏の見たハリケーンサンディ

 今年米国では巨大なハリケーンが来襲しました。日本も同じように大型の台風が来ました。これらは地球温暖化と関わっているのでしょうか?

 カリフォルニア大学バークレー認知言語学教授ジョージ=レイコフ氏は次のように見ています(http://www.huffingtonpost.com/george-lakoff/sandy-climate-change_b_2042871.html
 つまり地球温暖化がハリケーンサンディを引き起こす原因となったという事です。またアメリカ中西部の干ばつやコロラド州テキサス州の火災、それに他にも世界中の極端な気象災害もそうです。それが原因、つまり構造的な(=システミック)原因です。
 この言葉は馴染みあるものです。即ちタバコは肺がんの構造的原因であり、HIV(=ヒト免疫不全ウイルス)は、エイズの構造的な原因です。石炭鉱山で働く事は黒肺塵症の構造的な原因です。酔っ払い運転は自動車事故の構造的な原因です。避妊具なしのセックスは望まない妊娠の原因です。
 この構造的原因と直接原因との間には違いがあります。誰かの鼻をなぐるのは、(怪我の)直接原因です。窓に石を投げるのは、(それが壊れる)直接原因です。何かに或いは誰かに力を行使するのは、常に即座の変化をそのモノや人にもたらすので、それは直接原因となります。原因が直接である時、その言葉には問題がありません。
 構造的原因はあまり明確でないので、もっと理解する事が大切です。それはたくさんある原因のうちの一つとなるでしょう。それは間接的でさらに直接原因の網状組織を通して働くでしょう。またかなり高い確率をもって生じるものでしょう。それにはフィードバック機構が必要かもしれません(*もし何かの原因<例えば太陽輻射の変化>が気候を変化させると、その効果を増幅または減退させる機構があり、これらを正または負のフィードバックと呼びます)。
 地球温暖化は巨大で獰猛なハリケーンサンディの構造的原因となりました。その結果、それは生命の喪失、物質的な損傷、経済的損害の構造的な原因となりました。地球温暖化はメキシコ湾と大西洋の水を温め、著しく増大したエネルギーと海上空気中の水蒸気をもたらしました。それが起こると、極めて活動的で湿った嵐がさらに頻繁且つ猛烈に生じます。こうした地球温暖化による構造的な結末は、一体となってハリケーンサンディの獰猛さと巨大さを生み出しました。
 ハリケーンサンディの正確な細目は前もって予測出来ませんでしたが、それは喫煙者が肺がん、エイズ、望まぬ妊娠、自動車事故と同じです。
 意味論が大切です。原因と言う言葉は一般には直接原因を意味するものとされているので、気象学者たちは正確を期する為、しばしばハリケーン、干ばつ、火災などを地球温暖化によるものとする事を避けています。気象学者たちはわざと曖昧な言葉で逃げてしまい、ひどい情報伝達ミスを犯しています。(*確かにどのサイトでも学者は慎重です。批判・反批判が一杯です)。
それは少しも小さな事柄ではありません。地球の結末が危うくなっているからです。
 地球温暖化は真実です。それは死、破壊、膨大な経済的損失をもたらすものです。そしてその(構造的)原因の結果は時間と共にますます大きくなります。私たちが直面している事は巨大です。毎日地球を温める事により蓄積する余分なエネルギーの量は、広島原爆の40万個に匹敵します。毎日です!
 地球自体が巨大なので、このエネルギーは私たちの体感で直接認知出来ない形で地球に広がっています。毎日ほんの僅かに過ぎません。しかし地球に対する熱エネルギーの総量の蓄積は天文学的比率で増加しています。地域的な温度数値は小さく見えるかもしれません。0.8℃とかです。でも2度上がると地球とその中の生物は元通りになりません。氷が解け、海洋の高さが45フィート上昇し、一方で巨大な嵐、火災、干ばつは毎年悪くなるばかりです。
 国際的な意見の一致は、2℃です。全文明が破壊されなくても脅威となるでしょう。
 地球全体が2℃に達するのに、どれくらいかかるでしょう?エクソンモービルだけで既に掘削貯蔵されている石油の量を考えてみて下さい。もしそれが燃えると、地球の温度は2℃を超え、恐ろしい気象災害が起こるでしょう。私たちはそれを止めなければならないでしょう。でもそれはエクソンモービルだけの事でした。全ての石油会社がどこでも貯蔵している石油を燃やすと、文明を幾重にも破壊します
 どこからスタートすべきですか。言葉です。構造的原因を語彙に加えるのです。その概念を伝えるのです、他の人々になぜ地球温暖化が、ハリケーンサンディ、干ばつ、火災の巨大なエネルギーをもたらしているのか説明する事です。次に課金と配当金に関わる法律を制定する事です。そして最後に世界中の代替エネルギーを出来るだけ早く稼働させる為、成し得る事をすべて行う事です。
 「伝道者は知恵ある者であったが、そのうえ、知識を民に教えた。彼は思索し、探求し、多くの箴言をまとめた。伝道者は適切なことばを見いだそうとし、真理のことばを正しく書き残した…神を恐れよ」(伝道12:9−10,13)。
 拙訳を纏めたのですが、システミックをどう訳すかで、さんざん考えました。「体系的」とか…(汗)。