ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

全米ライフル協会の狂気

 「悪者どもは剣を抜き、弓を張った。悩む者、貧しい者を打ち倒し、行いの正しい者を切り殺すために」(詩37:14)。
 「そのとき、イエスは彼に言われた。『剣をもとに納めなさい。剣を取る者はみな剣で滅びます』」(マタイ26:52)。

 2012年12月22日のワシントンポストサイトに、「学校にもっと銃をという全米ライフル協会の正気でない思考」という題で記事が書かれていました。他のサイトでも一斉にこの事を報じていました。それは米国コネティカット州ニュータウンにあるサンディフック小学校で起きたアダム・ランザという若い男による銃乱射事件により子供20人と職員6人が死亡し、改めて銃規制の運動が高揚している時、全米ライフル協会のウェイン・ラピエール副会長がコメントした内容に関してでした。

 この銃撃事件は14日朝起こりました。朝日新聞によれば、ランザ容疑者は顔を覆い高性能の銃を2丁は所持して、小学校の正面玄関から侵入し、その近くの2つの部屋に限り、幼い児童に向けて銃を乱射したそうですが、被害者がほぼ全員死亡しているので、銃の操作には相当慣れていたと思われます。右拳銃は容疑者使用のもの。
 児童20人の死は米国史上最悪だそうですが、学生や職員を含む銃の乱射事件での死亡者が一番多かったのは、2007年のバージニア工科大学での33名です。

 今回の事件では幼い児童の事でもあり、改めて全米で銃規制の声が激しく起こっていました。オバマ大統領も改めてそれを訴えました。とりわけ標的にされたのが全米ライフル協会です。人口3億を越える米国でのライフル協会員数は約400万人で、有数のロビー団体です(*議会で議員が院外者との会見に用いる控えの間をロビーと呼び,このロビーに出入りして議員に働きかける陳情団,圧力団体をロビイストと言います=コトバンクより)。

 その動きに対してウェイン・ラピエール副会長が記者会見して、強烈な反対意見を述べました。いわく「銃を持った悪いやつを止めるのは、銃を持ったいいやつしかいない」(朝日翻訳)。そして「この国の全ての学校に武装警官を」というものでした。
 それに対する反論も、今なお米国報道サイト(共和党系でない)にたくさん載っています。その一つとして12月21日のワシントンポストにおけるユージン・ロビンソンという、名の知られたコラムニスト(特別記事執筆者)の論拠を紹介します。
 彼はもし学校に1人の武装警官を常時配備したら、それだけでも費用が莫大になり、怪しい人物が学校に入って来ても、銃携行が分からない場合、撃たれる前に撃ってしまう可能性が生じる事を述べています。するとUPSという宅配便の人で、忙しくいらいらしており、うさんくさい顔つきをしていたら、誤って撃たれてしまうような悲劇も起こり得ます。さらに犯罪者と警察官との銃撃戦になったら、傍にいた無実の人が巻き込まれて死亡する事態も予測されます。犯人ではなく銃撃する警官により、死ぬ児童も出て来ます。周到な計画を立てている犯人なら、防弾チョッキも着ているかも知れません。ならば警官や生徒たちも、軽くて強靭な繊維であるケブラーを用いたものを皆着用しなければならないのかという問題もあります。同僚のコラムニストはあらゆる先進国に精神的病弊があり、暴力的ゲームや映画が溢れている事が犯罪の根底にある事を認めています。しかしそれは米国で日々製造されている銃所持正当化の根拠とはなりません。
 強力な銃規制を主張しているブルームバーグニューヨーク市長は、ラピエール氏の事を「万人が武装し、どこも安全でない、より危険で暴力にあふれた米国のビジョンを示しただけ」と批判しています。上記ロビンソン氏も「正気でない」「馬鹿げた」「常識を欠いた」等の言葉を使って、強く非難しています。