米軍自殺者数最多
「アヒトフェルは、自分のはかりごとが行われないのを見て、ろばに鞍を置き、自分の町の家に帰って行き、家を整理して、首をくくって死に、彼の父の墓に葬られた」(サムエル第二17:23)。
2013年1月14日のハフィントンポストサイトでは、「2012年の軍隊自殺者数は過去最高」といった題で、ロバート・バーンズという人が記事を書いていました。それによりますと、米国防総省が2001年から自殺者のあとを念入りに辿り始めて以来、最多になったとの事です。自殺者の数は2006年から増え始め、2009年に310人となった後、2年間横ばいでしたが、昨年再び急増し349人となりました。イラクへの軍事関与が終わり、オバマ政権がアフガンでの戦闘を縮小し始めた時だったので、それは多くの人々には驚きでした。そしてその数はさらに増えそうだと言われています。左下画像はロイター通信より。
その自殺者数はAP通信の調べたアフガンでの2012年の戦死者数295人を上回りました。ネットで見ますとこの戦死者数は多少異動があります。出来るだけ隠しておきたいという意図があったからでしょう。ちなみに2001年から始まったアフガン侵攻作戦での戦死者数は、2000人を越えたと言われています。これは非常に大きな数ですが、今国防総省では国内反戦デモの活発化や、厭戦気分が広がるとまずいので、相当少なく見積もった数と推測されます。
しかしそれはアフガンに無人機を飛ばして、テロリストを殺す方向に変えられつつあるので、今後の戦死者数は減ってゆくと思われます。
深刻なのが自殺者です。ですから国防総省や民間の指導者たちは、もっとその原因を探る為、必要な事を行わなければならないという認識でいます。蔓延しているからです。そこで自殺防止が国防総省ではかなり高い優先順位となって来ました。
内訳では海兵隊の自殺者比率が最も高く、50%増の48人、陸軍が前年比14%増の182人、海軍が同15%増の60人、空軍が同16%増の59人となっています。
ユタ大学の或る自殺研究者によると、イラク、アフガン戦争の退役軍人で、うつ病、PTSD(心的外傷後ストレス障害)、薬物乱用で苦しんでいた人々と、戦争には行っていないけれども、人間関係、お金の問題、法律上の悩みを抱えていた人々に自殺者が多いそうです。概して25歳以下の白人、高校卒業までの人が自殺しています。
戦闘という過酷で強烈な環境から退役して各自の家庭に戻る時、うまく適応出来ない事例が多いそうです。
イラク、アフガンとも一歩間違えば死という極度の緊張感と、簡易爆破装置による負傷が恐怖心を募らせていて、特にPTSDにかかる人が多いのでしょう。それゆえ米国防総省では、早く撤退させ、出来るだけ無人機による攻撃という方針を固めつつあるようです。全く神の目から見ても「義」でない戦い、当然の報いではないでしょうか?
米国で戦死以外の自殺者が過去最大であってのに対して、日本では15年ぶり2万7766人と、3万人を下回りました。社会全体で取り組むべき問題との意識が広まり、対策が進みだしたことが背景にある、とNPO法人ライフリングの清水康之氏は言っています。