ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

全日空機事故

 「小さい事に忠実な人は、大きい事にも忠実であり、小さい事に不忠実な人は、大きい事にも不忠実です」(ルカ16:10)。 
 2013年1月16日、羽田空港に向かっていた全日空ボーイング787型機の操縦室で、機体前方の電気室から煙が出ているという計器表示があり、この原因がどうやら搭載しているバッテリーにある事が分かって来ました。

 その後調査は続行しており、25日の夕刊でも米国家運輸安全委員会が詳しく調べていますが、炭化したバッテリーの発火原因がまだ特定されていません。
 その為787型機の運航は全世界で止まっていますが、ハースマン委員長は「前例のない出来事であり、われわれは非常に懸念している。機内で発火事故が起きるとは想定しておらず、非常に深刻な航空機の安全問題だ」と述べたそうです。

 今回これが原因で墜落するような事がなかったのは、不幸中の幸いでしたが、既に私たちは「ハインリッヒの法則」というものを知っています。即ち「一つの重大な事故の裏には29の軽微な事故があり、さらにその裏には300の『ヒヤリハット』(ヒヤリとしたり、ハッとする危険な状態)があるという経験則」です。
 東大名誉教授の畑村洋太郎氏がその名を失敗学の中で広めました(*昨年の国会事故調査・検証委員会の長としての原発事故への取り組みは、私個人としては相当失望させられましたが)。
 大規模な航空機事故としては、あの1985年夏の日航機墜落事故がすぐ思い出されます。あの時の原因はボーイング社の修理が不適切だったことによる圧力隔壁の破損が事故原因とされています。それが真実とすれば、この修理作業ミス、現場の人はあまりたいした事はないと考えていたのかも知れませんが、結果として死者520人を出す大惨事となりました(*実はネットから自衛隊護衛艦から試射された模擬ミサイルが誤って命中してしまったという記事を見つけました)。
 このバッテリーですが、日本が誇るジーエス・ユアサのもので、その名前は車に乗る人なら大抵知っています。そのリチウムイオン電池の製造・設計が適切だったのかよく分かりません。今回車で既に取り付けられているその電池、ボーイング787航空機では初めての搭載だったそうです。けれどもその航空機への取り付けは、ユアサがフランスのタレス社に供給し、タレス社がシステムとして組み立てて、さらにボーイングエバレット工場に納入し、そこで最終的組立てがされているそうです。ネット情報では、その最終段階での配線ミスもあり得る事が指摘されています。
 そのように製造システムが多国籍化していますが、会社での一貫した製造工程と異なるので、そこにもミスの生じる余地はあるのでしょう。米国によるグローバル化した企業、どうもそこにたどりつきます。会社の体質によりますが、新自由経済体制化の米国、最終段階の作業員に十分な給料が払われ、その労働にも数々の保障があるのかどうかまで私は考えてしまいます。アマゾンでもウオールマートでも、顧客第一の陰に従業員の過酷な労働と低賃金の問題があります。もし会社に盾突けばすぐ回顧されてしまいます。
 人間を大事にしない企業や社会、その従業員のゆとりのない仕事で、小さな事への忠実さが失われ、それがいつか又大参事を引き起こすのは必至であると思わなければなりません。