ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

英国カンブリア州が高レベル核廃棄物の最終処分場の建設計画を拒否

 「だれも、ふたりの主人に仕えることはできません。一方を憎んで他方を愛したり、一方を重んじて他方を軽んじたりするからです。あなたがたは、神にも仕え、また富にも仕えるということはできません」(マタイ6:24)。
 2013年1月27日の英国BBCニュースサイト(http://www.bbc.co.uk/news/uk-england-cumbria-21161367)では、「カンブリアの核廃棄物ゴミ捨て場:地方議会は何を考えていたのか?」といった題で、記事が書かれていました。
 カンブリアと片仮名で書かれますと、地質学の古い年代カンブリア紀を想定してしまいますが、それは英国ウエールズ地方の古い呼称に由来しており、第一英語のスペルが異なります。今問題になっているのは、英国北西部の州の名前の事です。

 ここはネットで調べて見ますと6つの行政区としての市があり、そこにコープランド市及びアラデール市が含まれています。

 ところでこのカンブリア州ですが、人口約50万、人口密度としても最も低いほうだそうです。都市ではなく、美しい湖が多く存在し、すばらしい田園地帯ではないかと思います。観光地や高級ホテルも存在するそうです。

 英国政府はこのカンブリア州に目をつけ、高レベル放射性廃棄物の最終処分場にしたいと考えています。この州には有名なセラフィールド核施設も存在し、そのプールに大量の使用済み核燃料が保管されている為、ここならはなはだ便利だと考えたのかも知れません。そしてそれらを地下に埋める、いわゆる「地層処分」を検討しています。液状にした高レベル放射性廃棄物をガラスと一緒に固めて、ステンレス製容器=キャニスターに詰めて固化させたガラス固化体としての処分です。

 政府は地上で最低でも十万年保管するとなると危険なので、その解決策として地下に永久に埋めてしまおうとしています。
 それには段階的な議論が必須で、その第4段階が机上調査という事になるそうです。ところがそこに進む前の議決では、上記したコープランド市及びアラデール市のうち、前者が賛成、後者は反対を議決しました(*アラデール市はその後賛成)。さらにカンブリア州議会も反対議決したので、2市1州の撤退により最終処分場の問題は事実上棚上げされました。
 それを受けて英国政府は州議会が反対しても、地元の2市が賛成に回ったので、他の自治体に関与してもらう事を要望し、その名乗り出た自治体には1億ポンド(およそ120億円)を提供すると表明しています(2月1日)。
 賛成の理由としては、セラフィールドで安全な管理がされている事、この処分場建設で雇用が大きく増えるからだと言っています。
 もし実施となるとカンブリア州の素晴らしい光景と観光と農業が打撃を受ける事になります。核産業より観光の方が収入は多いからだそうです。
 今交付金と雇用創出を採るのか、美しい自然と儲かる観光事業を採るのか、カンブリア州は苦悩しています。ここでは日本の福島原発事故の深刻さはあまり問題になっていないように見えます。*画像は全てネットから借用。