ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

中国の大気汚染

 モーセが天に向けて手を差し伸ばしたとき、エジプト全土は三日間真っ暗やみとなった」(出エジプト10:22)。
 2013年2月1日の朝日新聞に「大気汚染成長中国に影」という題の記事がありました。その中に「九州にも飛来」というコラムがあり、PM2・5という、これまで全く知らなかったものが出ていました。
 公害問題は故宇井純氏が東大で自主講座を始め、名著『公害原論』を出してから、ずっと関心を抱いて来ました。ですから全世界の公害情報を集めた環境と健康ニュースサイト(http://www.environmentalhealthnews.org/)は、お気に入りに入れて毎日閲覧しています。その中に中国で大気汚染が進んでいる事を記した記事は古くからあったように思いますが、黄砂飛来の事は知っていても、今度のように深刻な大気汚染が、日本にまで影響を及ぼしているとあっては、無関心ではいられず早速朝日記事を調べてみました。

 それによりますと、中国の代表的な都市北京で大気汚染が深刻化し、咳き込む大人や子どもの数が急増しています。その中に上記PM・2・5という言葉が登場しています。
 これは直径2.5マイクロメートル以下、つまり「人の髪の毛の約40分の1という粒子状物質」を指すのだそうです。その名称の物質という事が分かりました。そしてそれを人が吸い込むと、当然肺に侵入し、血液にも入り込んで、「ぜんそく、心臓疾患」などを発症させるという事が書かれていました。その主要な原因は暖房で使う石炭の燃焼によるもの、自動車の排気ガスによるもの、工場から出る煤煙によるものだそうです。
 それがどれくらいひどいかという事を示す指標となるのが、大気汚染指数(AQI)という指数で、0〜500の尺度があり、それが高いほど大気の汚染がひどい事になります。50までは健康に影響がなく、100以下ならあまり問題が生じないけれども、300を越えると、一般に危険であるとされています。
*値の範囲:大気汚染状態:健康影響(単位は1立方メートルあたりのマイクログラム値)
0-50 良好… 大気汚染状態は良好で、大気汚染による危険性はほとんど又は全くない。
51-100 中程度… 大気汚染状況は許容範囲であるが、ある種の汚染物質は少数の者に対して中程度の健康影響を及ぼす可能性がある。例えば、オゾンに非常に敏感な者は呼吸器症状をおこす可能性がある。
101-150 特定のグループにとって不健康… このAQIレベルでは、一般には健康に影響を及ぼすおそれはないが、肺疾患患者、高齢者及び子供は、オゾンへの暴露に対する危険性が大きい。また、心臓・肺疾患患者、高齢者及び子供は、大気中の粒子物質に対する危険性が大きい。
151-200 不健康… すべての者に対し、ある程度の健康への影響を及ぼす可能性があり、敏感な者に対し、より深刻な影響を与える可能性がある。
201-300 非常に不健康… 健康に関する注意報:すべての者に対し、健康にかなり深刻な影響を及ぼす可能性がある。
301-500 危険… 健康に関する緊急状態の警報:すべての者に対し、健康への影響を及ぼす可能性が高い。
 この大気汚染指数に従って北京の状況を見て見ますと、250マイクログラムを超えた「非常に不健康」ないしは「危険」水準の日が、1月で15日以上、29日は何と危険水準をはみ出した517マイクログラムに達したそうです。これはタイム誌サイトでは「常軌を逸して悪い」と表現されていました。さらに2月7日のブルームバーグ・ニュースサイトを見ますと、朝日に載っていない993ミリグラムが1月12日に観測されたそうです。
 これが日本に飛来した時、九州や瀬戸内地方で、WHO基準の25マイクログラムを15ほど越えた40マイクログラム台になっています。長崎県では「中国の10分の1程度の濃度で、すぐに体に影響を与える数値ではない」と言っています。
 北京在住の外交官筋は、今後PM2.5の影響で「約8,500人」が早死にするという北京大学などの研究成果を紹介しています。
 日本の原発事故による大気の汚染もそうですが、中国の大気汚染にも気をつけなければと、改めて思った次第です。