ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

太陽コロナはなぜその表面より遥かに熱いのか

 「わたしは、あなたの行いを知っている。あなたは、冷たくもなく、熱くもない。わたしはむしろ、あなたが冷たいか、熱いかであってほしい」(黙示3:15)。
 2013年2月4日のサイエンスデイリサイトに、上記のような題の論文の紹介がありました。
 皆既日食。黒い月の影から美しいコロナの広がりが見える
 これまで太陽のコロナ層(太陽の表面から2000kmほど上空にある大気層の事で、100万℃以上もある高温のガス)は、その表面温度(約6000℃)より遥かに高温になっている事が分かっていましたが、その理由は謎でした。なぜなら太陽の中心温度は1600万℃ほどで、そこからエネルギーが表面へ伝わる為、上空へ行くほどエネルギーが逃げて温度が下がる筈だからです(事実太陽表面まで来ると、急激に下がり6000℃)。ですからそこからさらに2000kmも上空にあれば、もっと低くなる筈なのに、逆に100万℃と高くなっているのです。譬えてみると、冷たいストーブの上でヤカンが沸騰するような現象です。
 リチャード・モートン博士の率いる英国ノーサンブリア大学と、シェフィールド大学等の研究者たちから成る研究チームは、この謎に挑みました。
 急激なコロナ層の温度上昇は、電磁流体波(電磁流体力学磁性流体力学<MHD>から予想される流体内の波動)というものが、太陽表面下で発生したエネルギーを、そのコロナ層に撒き散らしているからであると思われていました。MHDの理解は私のような素人には極めて難解です。電場(E)の変化はそのまわりにそれと垂直な方向に磁場(H)を発生させますが、また磁場の変化は電場を生じさせます。故に空間的・時間的に変化する電場と磁場があれば、それらは互いに影響し合って、波として空間を伝播して行きますが、この波を電磁波と呼びます(ここまでは高校の物理学)。電磁流体力学はこの電磁場と流体粒子の流れとの相互作用に基礎を置く導電性流体力学の事です(これは大学物理学の範囲。ふう〜)。
 そこで研究チームはシェフィールド大学で開発したROSAと呼ばれる「太陽イメージング望遠鏡」というものを用いて、この電磁流体波を調べてみました。

 するとこの太陽表面とコロナの間に挟まれた彩層を極めて明確に捉える事が出来ました。その情報に基づき電磁流体波の速度と力を研究した結果、波が運ぶエネルギー量を推定する事が出来、電磁流体波のエネルギーが、コロナ層の説明出来なかった温度上昇で求められるエネルギーと合致する事が示されたと、モートン博士は言っています。
 右図は太陽コロナの磁気ループ構造。このループが太陽磁場を浮き彫りにし可視的なものとしましたが、それはコロナに特有の100万℃という高温を裏付けているそうです(NASA提供図)。この磁力線上に波が発生して、波としてエネルギーがコロナに伝わり、加熱するという事です。高温ガスがまるで光り輝く取っ手のように突出している様子が分かります。
 この熱いエネルギーが地球に恩恵を与えています。もし太陽表面のように急激に冷えてゆく温度の延長線上の地球なら、適切な温度が得られなかったでしょう。またヴァン・アレン帯という地球を取り巻く帯が、太陽からの有害な電磁波を防いでいます。これは地球と人間を守ろうとされる創造主のみわざです。