ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

テロメラーゼの長さと風邪の引きやすさ

 「ああ、神の知恵と知識との富は、何と底知れず深いことでしょう。そのさばきは、何と知り尽くしがたく、その道は、何と測り知りがたいことでしょう」(ローマ11:33)。
 2013年2月22日のタイム誌サイトに、「なぜ風邪をひきやすい人々がいるのでしょうか」といった題で論文が紹介されていました。
 テロメアと言いますと、ウイペディアには「真核生物の染色体の末端部にある構造」とあります。左画像はネットより。
 そしてそれは「細胞の寿命に対する分子時計となっています」。つまりテロメアは細胞が分裂するたびに短くなるので、テロメアの長さは細胞の中の一種の時計のような働きをしていると考えられています。ある長さまで短くなると細胞分裂が停止し、生物はその生命を終えます。
 ですから研究者たちはこれまでテロメアと老化の関係、加齢と関連した病気との繋がりなどについて研究してきました。長いテロメアを受け継いで来た人々は、それだけ余計に長生きするとか言っている人もいます。
 ところが最近の研究によりますと、テロメアは風邪を払いのける身体の力と関連があるかも知れないと言われています。それでテロメアの長さで22歳位の人々までなら、その危険性を予測出来、それ以上の年齢になると、その関連性はますます強くなるという事だそうです。
 米国カーネギーメロン大学の研究チームは、今回年齢が15歳から55歳までの健康なボランティアの人々から152人を選んで、その白血球細胞におけるテロメアの長さを計測しました。その後彼らは風邪に関与しているライノウイルス(鼻風邪等ごく普通の軽い症状を出すウイルス)の環境にさらされ、さらに5日間ワンルームに隔離され、感染が生じるかどうか観察されました。
 すると152人のうち33人がそのウイルスに感染しましたが、風邪を引いたのは33人でした。それでテロメアの比較的短い人々は、呼吸器での感染を受けやすい事が分かりましたが、それは21歳以上の人々の場合でした。
 結局、CD8CD28T細胞(=感染除去に大切)という特殊なタイプの白血球を持つテロメアの短い人々は、感染に屈しやすい事が分かりました。
 研究チームの一員シェルドン・コーエン氏は、「これはテロメアの長さと、若い人々、中年の人々の健康において、強い関係がある事を示した最初の成果である」と言っています。
 テロメアの名前は急速に広がりました。専ら寿命のみに関わるものと見られていましたが、視点を変えると又新たな事実が見えて来ます。遺伝子の世界は奥深いとつくづく思いました。